【5/15大会】フォガット、アトム級GPへの弾みに「負けは選択肢にない」
昨年大成功を収めたリトゥ・フォガット(インド)は、2021年最初の試合でその勢いをさらに加速させるつもりだ。
無敗のインドのレスリング界の大スター、フォガットは5月15日(土)、シンガポール・インドア・スタジアムから中継される「ONE: DANGAL」で、ビー・ニューイェン(ベトナム/米国) とアトム級マッチで対戦する。
「この試合をとても楽しみにしている。自分の2021年を勝利でスタートさせたい」と、フォガットは語る。
「戦績はこれまで4勝0敗、この流れを維持したい。今年はみっちりハードワークをこなしてきたので、次の試合では何か新しいものを見せたいと思う。上達した技術をファンの皆さんにお披露目したい」
フォガットは26歳。コモンウェルス・レスリング選手権の金メダリスト。今回のONEのイベントと同じ名前のインド映画「ダンガル きっと、つよくなる」のモデルとなったレスリング一家の出身で、2019年に総合格闘技に転向し、驚くべき進歩を遂げてきた。
世界レベルのグラップリングに加えて、シンガポールのメガジム「Evolve MMA」の世界チャンピオンのインストラクターチームの下で、打撃のレパートリーとブラジリアン柔術のスキルを磨いてきた。
こうした技術の組み合わせにより、フォガットはONEの舞台で圧倒的な4連勝を収めた。直近では昨年12月の「ONE: BIG BANG」で、ジョマリー・トーレス(フィリピン)に第1ラウンドTKOで勝利している。
「完璧に試合を終わらせたかった。打撃から始めたが、相手が攻めてくるようになってからは、テイクダウンが取りやすくなった。完璧にコントロールして試合を終えた」と、フォガットは今年初めに話している。
「タフなチャレンジだった。相手はいいファイターだから。だが、相手にはチャンスがなかった。多分、自分がその日ラッキーだったのかもしれない。一生懸命頑張ってきたし、自分の努力を信じていた。それが実って嬉しかった」
「ONE: BIG BANG」では、フォガットはニューイェンに助けてもらったこともあった。
「ビーは素晴らしい人間であり、友人でもある。この前の試合の前には、髪を編んでくれた」
フォガットはニューイェンを友人と呼ぶが、その関係を脇に置いて、試合に臨むことだろう。
ニューイェンは多才なアスリートだが、主に打撃で知られており、2019年9月のONEスーパーシリーズのムエタイマッチでは、プージャ・トーマル(インド)を倒している。
さらに、ニューイェンはその2カ月後の総合格闘技マッチで、元2競技女王のスタンプ・フェアテックス(タイ)と3ラウンドを戦い、タフさも見せつけた。
フォガットはこの対戦相手がスタンドでは大きな脅威となることを認めつつも、自身の技術も負けてはいない、と考えている。
「ビーのスタンド戦はとても強力だ。彼女の総合格闘技のキャリアも素晴らしい。経験も豊富。彼女は世界のトップ5(の選手)と戦うチャンスがあった。けれど、自分もみっちりハードワークをこなしてきた」と、フォガットは話す。
「レスリングが打撃よりも強いことを証明する、と思う。レスラーがストライカーにどのように優位に立つかを見せられるだろう。自分の向上した打撃も」
「『サークル』(ONEのケージ)に入れば、相手が世界チャンピオンであろうと、どんな功績があろうと、関係ない。リングの中では110%の力を発揮して、外に出たときに悔いが残らないようにしている」
フォガットには、無敗キープ以上の目標がかかった戦いとなる。
フォガットは、5月28日(金)の「ONE: EMPOWER 」で行われるONEアトム級世界グランプリの準々決勝の出場権を得ており、2位コンテンダーのメン・ボー(中国)と対戦予定だ。だが、その前にはまず、ニューイェンを乗り越えなければならない。
「グランプリを獲るという夢を叶えるためには、ビーを倒すことがとても重要で、一歩一歩、目標に向かって進んでいきたい」
「自信過剰ではないが、この試合に勝てると充分な自信を持っている。負けるという選択肢はない」
史上最大の女子総合格闘技トーナメントで優勝すれば、今年後半にアトム級女王のアンジェラ・リー(シンガポール)への挑戦権を獲得するチャンスがある2021年は、フォガットにとって間違いなく飛躍の年になるだろう。
今のところ、フォガットは堂々たるスタートを切ろうと、照準を定めている。
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