【7/30大会】プラジャンチャイ、サムエーと世代交代へ「自分は若く強い」
ONEチャンピオンシップと今年6月に契約したばかりのタイの天才、プラジャンチャイ・PK・センチャイムエタイジムがタイトル挑戦の機会を手にした。
ニューカマーのプラジャンチャイは、7月30日(金)の「ONE: BATTLEGROUND」で現2競技ONE世界チャンピオンのサムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)が有するONEストロー級ムエタイ世界タイトルに挑戦する。同大会は、無観客でシンガポール・インドア・スタジアムから生中継される。
大きな栄誉がかかったこのデビュー戦は、異なる世代の最高のムエタイ選手同士の対決でもある。
26歳の挑戦者は「それぞれの世代にトップファイターが存在する。(サムエーは)彼の世代のベストファイター、そして自分はこの世代のベストファイターだ」と話している。
プラジャンチャイは、ムエタイファイター一家の出身で、デビュー当初から巨大な運命を背負っていたようだ。
337勝51敗3分という驚異的な戦績の持ち主で、ルンピニーとラジャダムナンスタジアムのムエタイ世界チャンピオンのベルトを4つ獲得している。
実際に、母国タイでは圧倒的な強さを誇っており、地元でのマッチメイクは難しかったという。
「あの時は、自分はムエタイのファイターだったが、国内のスタジアムでしか試合をする機会がなかった。毎試合対戦相手を見つけるのは難しかったと思うよ」
バンコク在住のプラジャンチャイは、2020年にボクシングと出会った。国際ボクシング協会(IBA)のプロモーターが、若きアスリートの計り知れない才能、素早さ、ファイトIQを信じ、その才能を発揮する機会を与えてくれたのだ。
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プラジャンチャイはすぐさま期待に応え、2階級でWBAアジア・サウスのベルトを獲得し、“高速コンビネーション”の異名で呼ばれるようになった。
そしてこのたび、世界最大の格闘技団体ONEと契約。4オンスの総合格闘技用グローブを着用して試合に臨むことになり、そのムエタイの武器はさらに強力なものになるだろう。
「夢はONEチャンピオンシップの試合に出場することだった。小さなONEチャンピオンシップのMMAグローブを着けてトレーニングすることになった。とても楽しいよ」
対するサムエーは、プラジャンチャイがバンコクのスタジアムを席巻ずっと前から、ムエタイ界で圧倒的な強さを誇っていた。約30年前に初めてリングに上がり、2000年代には2つのルンピニースタジアム世界タイトルを含む数多くのベルトを獲得した。
2016年に一時的に引退した後、サムエーはONEスーパーシリーズに参戦し、レガシーを築き続けている。当初は同プロモーションのフライ級で小さめのファイターとして出場していたが、2018年5月に劇的な勝利で初代ONEフライ級ムエタイ世界王座を獲得した。
同階級の王者として1年間君臨した後、サムエーは自然な体重に近いストロー級に階級を落とし、絶対的な強さを発揮した。この生ける伝説は、これまでストロー級での全試合に勝利し、ONEの初代キックボクシングとムエタイのベルトを獲得している。
しかし、プラジャンチャイは37歳のサムエーのスピードとコンディショニングが衰えてきていると考えており、7月30日には新旧世代交代が起こるのではないかと考えている。
「まず、自分は若くて強いので、勝つ可能性が高いと思う。そして、自分のスピードも役立つと思う」と、プラジャンチャイは語る。
「しかし、最も重要なのは、彼の武器にどう対応するか、彼の弱点は何かを見極めることだと思う」
プラジャンチャイは、サムエーの左サイドの武器、特にヒザ蹴り、キック、サウスポーのパンチを敬っている。
一方で、プラジャンチャイは、サムエーはヘッドショットの影響を受けやすいとも考えている。ディフェンディング・チャンピオンをフィニッシュするのはそう簡単ではないとはわかってはいるが、挑戦の気持ちは抑えられない。
「彼の弱点はアゴだと思う。一時的に引退する前にアゴを何度も攻撃されていたから」
「ONEチャンピオンシップのMMAのグローブは小さい。(これを着けて)殴られるとノックアウトされる可能性が高くなる」
「全試合で頑張って準備をしているが、今回の試合のためには最もハードなトレーニングをするようにする。さあ、どちらが勝つかお楽しみだ」
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