【12/3大会】チュー・ジェンリャン「秋元皓貴は自分のレベルに達していない」
ONEチャンピオンシップのタイトル獲得を視野に、チュー・ジェンリャン(中国)がいよいよ世界の舞台でデビューを果たす。
12月3日(金)の「ONE: WINTER WARRIORS」で、チューは、バンタム級キックボクシングの3位のコンテンダー、秋元皓貴と対戦する。この試合の勝者は、現役王者のカピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)への挑戦権を得る可能性もある。
チューは、長年にわたって地上トップのスーパーフェザー級キックボクサーとされてきた。プロ戦績は53勝7敗で、18連勝中。
デビューにあたって、バンタム級に転向し、この階級での存在感を示すことを望んでいる。
対する秋元は、元空手の世界チャンピオンで、他の格闘技の様々な技を融合させた強力な立ち技を得意としている。このスキルセットを駆使して、24勝1敗というプロ戦績を築き上げた。唯一の黒星はマジョリティ判定によるものだ。
厳しいONEデビュー戦となるかもしれないが、チューは秋元をノックアウトする初めてのアスリートになりたいと意気込む。
独占インタビューで、デビュー戦への期待、チャンピオンのカピタンへの思い、フェザー級への転向の可能性などを語った。
ONEチャンピオンシップ: 6月にONEと正式にサインした。この団体の一員になったことをどう思うか?
チュー・ジェンリャン: もちろん、ONEチャンピオンシップへの参戦を楽しみに思っている。ONEチャンピオンシップは、世界最大の格闘技団体だと思っているし。ムエタイもMMAも、キックボクシングもある。ONEチャンピオンシップでの試合を楽しみながら、自分も参戦できて嬉しい。
ONE: この3年で、ONEスーパーシリーズのムエタイとキックボクシングは充実してきた。最近はだれに注目しているか?
チュー: 最近は、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)や、ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)、リアム・ハリソン(英国)といった世界のトップストライカーから新しいスキルを学ぶためにONEチャンピオンシップの試合をたくさんみている。こうしたトップファイターから学ぶのは、とてもいい機会だと思う。
ONE: 18連勝中でONEに参戦するが、デビュー戦の相手はバンタム級3位の秋元だ。
チュー: 秋元はリングの中では冷静で、戦略的で、紳士的で総合力も高いが、他方で上半身のディフェンスが圧倒的に不足していると思う。これはほんの一例だ。彼のスタイルをよく見ると、弱点もたくさんある。彼について十分に研究したので、プランも用意している。
ONE: 秋元の一番の強みはなんだと思うか?
チュー: 彼の最大の強みは、かなりオールラウンドなスタイルを持っていることだと思うが、自分にとっては少し平凡なスタイルだ。リングの中では総合的な強みを駆使できないからだ。
持っている武器のうち1つか2つを、最強の武器として対戦相手に使わないといけない。あまりに総合的すぎると、より鋭く非常に危険な武器を持っている相手との対戦は非常に危険なものになる。
ブルース・リーはかつて、「千種類の蹴りを知っている奴は怖くないが、1つの蹴りを何千回も練習した奴は怖い」と言った。
ONE: では、今回の試合に向けて、自身の最大の強みは何だと思うか?
チュー: 自分の最大の強みは、心理戦だと思う。普通、定期的に自分を鍛えることを好まない人もいるが、これを「規律」という。
自分は精神的に強い。さまざまな環境で育つ中で、多くの困難を経験してきた。タイでの留学を終えるための資金を得るために2年間、建設現場で働いたこともある。タイのムエタイでも、たくさんの子供たちが食べ物を奪い合うなど、いろいろなことを経験してきたので、それらの経験がパワーを与えてくれたと思う。
ONE: 秋元は、ランキングでも高位で、キャリア上で1度しか負けたことがないが、自身に匹敵すると思うか?
チュー: 彼が自分のレベルに達しているとは思わない。というのは、彼は世界のトップファイターとの対戦が少ないからだ。例えば、ジャン・チェンロン(中国)とは2回対戦したが、ジャンは中国の新世代のトップファイターだが、中国ではトップファイターじゃない。非常に優れたファイターで、素早く知識を吸収する。だが、若い世代のファイターで、こうしたことを考えると、彼は自分のレベルに達していない。
ONE: ノックアウトを狙うつもりか?
チュー: リング上でできるだけ早く相手をノックアウトすることは、常に自分の使命だ。秋元であろうと、カピタンであろうと。これは戦争だ。礼儀作法はない。戦争に情けは無用だ。
ONE: 秋元に勝てば、次はカピタンの有するONEバンタム級キックボクシング世界タイトルに挑戦する可能性もある。タイトルマッチはどのような戦いになると思うか?
チュー: カピタンの試合は見ている。特に前回の(メディ・ザトゥーとの)防衛戦だ。確かその試合については、タイトルマッチには見えないと言ったはずだ。カピタンがタイトルを防衛したやり方は、タイトルマッチに見えなかった。自分が求めていたレベルじゃなかった。
ONE: なぜ、世界タイトルマッチに相応しくないと思ったのか?
チュー: カピタンは、スタミナとバランスが非常に悪いからだ。何度もカウンターのチャンスを失い、相手もうまく反撃してきた。もしもう1ラウンド戦っていたら、カピタンは負けていたと思う。
ONE: 以前、ペトロシアンを見て、彼から何かを学びたいと言っていた。階級を上げて、ペトロシアンやONEフェザー級キックボクシング世界チャンピオンのスーパーボンと戦うことに興味はあるか?
チュー: 彼らの階級で戦うために体重を増やそうとしていた。ここ数ヶ月、体重が減っていたので失敗したが。ONEチャンピオンシップにもっと定着してから再考してみる。例えば、ベルトを手に入れたら。
今のところは、自分のONEチャンピオンシップでの立ち位置を守るために戦わないといけない。今はそれしか考えていない。その時が来たら考えることにする。
ONE: ONEのケージ「サークル」に入る前に、秋元に一言。
チュー: ようこそ自分の仕事場へ。仕事を始めようか。
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