【4/22大会】王者アーセル、挑戦者サディコビッチを「第3RでKO」
ONEライト級キックボクシング世界王者のレギン・アーセル(スリナム)は、2019年に初代ベルトを獲得して以来、3人のタフな挑戦者を退けてきた。
4度目の防衛戦は4月22日(金)の「ONE 156: Eersel vs. Sadikovic」のメインイベント。相手は強烈なパンチの持ち主のアドリアン・サディコビッチ(ドイツ)だ。
アーセルは次の防衛戦を見越していたが、対戦相手がサディコビッチとは思わなかったようだ。
昨年12月の「ONE: WINTER WARRIORS」に出場した際、サディコビッチからじっと見られているのに気付いたというが、アーセルはあまりONEのニューカマーである今回の相手について知らないようだ。
アーセルはONEチャンピオンシップにこう語っている。
「12月に(大会で)彼を見かけたが、『次はお前を倒す』って感じで見つめられた。『やる気満々で見ているこの男は誰だ?』って感じだったよ」
その際のONEデビュー戦で見事な勝利を収めたサディコビッチは、次の世界タイトルマッチに出場することになった。
サディコビッチはアーセルより身長は数センチ低く、パンチ主体の攻撃で知られている。このため、アーセルの強力なキックが有用になるかもしれない。
アーセルは、相手の弱みを全て利用するつもりだ。
「この試合はフルラウンドにならないと思う。彼はスタイルに穴がある。自分はそれを見つけるつもりだ。彼にそんなに良くない面があるわけではないが、相手にプレッシャーをかけようとすると、隙ができる。これをうまく利用していこうと思う」
Eersel on weaknesses he sees in Sadikovic
サディコビッチは前回の試合では、ボクシングの経験を生かし、アーセルに挑戦したこともあるムスタファ・ハイダ(イタリア)を倒した。
ハイダのレバーを狙い、強烈なボディショットを連発。フィニッシュまであと一歩のところまで追い詰めた。
アーセルは最近、スピードと正確さを重視する対戦相手と戦っており、今回のサディコビッチ戦は違ったスタイルとの対決になる。
アーセルはこう話す。
「この試合が楽しみだ。相手は自分より少し小さいが、プレッシャーを与えるボクサーで、アグレッシブなスタイルを持っている」
もちろん、アーセルからベルトを剥ぎ取るのは容易ではないだろう。
現在アーセルは18連勝中、57勝4敗という輝かしいプロ戦績を有し、2016年以来負けなしだ。
また、ノックアウト勝ちも25度挙げており、その多くは自身の鋭い武器を駆使したものだ。
「自分の強みはヒザの威力だ。あとはファイトIQ。戦いでは、相手に適応することができる。自分の中には、アグレッシブなもう一人の自分がいる。そして、そいつはリングで出てくる。リングの中では、スナイパーモードだ。(その時は)、トレーニングで教わったことを実行するだけだ」
ONEのケージ「サークル」内での精神状態について語るアーセル
普段は謙虚で、言葉よりも行動で物語るアーセルだが、今回の試合はフルラウンドまでは行かないと自信を見せる。
アーセルはこう話す。
「ノックアウトで終わらせるつもりだ。先のことについては話さないタイプだけど、第3ラウンドで簡単にやってやるつもりだ 」
レジェンドへ、地位固め目指して
一時期、9連続KO/TKO勝利を達成したこともあるアーセル。だが、最近の勝利は全て判定によるもので、これについては満足してないようだ。
最近のインタビューではこう話している。
「KO勝ちを3、4年していないから、今回はKOで勝ちたい」
アーセルは直近では、「ONE: WINTER WARRIORS」でのイスラム・ムルタザフ(ロシア)戦でスピリット判定勝ちを収めたが、これは10年近いプロキャリアの中で初めてのことだった。
この時のパフォーマンスには不満もあったろうが、この経験もバネに今回の世界タイトル防衛戦に向けて進化してきた。
今回の試合は、キックボクシングのライト級で長期政権を築き、史上最高の選手としての地位を固めるチャンスでもある。
アーセルはこうコメントしている。
「人々が何年も語り継ぐような、伝説的な試合をすることができるようなレベルに達したいと思っている」