【7/22大会】王者デ・リダー防衛戦へ、宿敵アウンラ・ンサンとトレーニング
2階級ONE世界チャンピオンのライニアー・デ・リダー(オランダ)は、今回のONEミドル級世界タイトル防衛戦を前に、2人の馴染み深い人物から助言を受けた。
7月22日(金)の「ONE 159」のメインイベントで、ビタリー・ビグダシュ(ロシア)と対戦するデ・リダーは、4月に渡米した際、かつての宿敵であるアウンラ・ンサン(ミャンマー)と一緒にトレーニングした。
デ・リダーとアウンラ・ンサンは2度対戦しており、さらにアウンラ・ンサンはビグダシュと3度対戦しているため、多くの知識を分かち合えたという。
さらに、トレーニングのセッションは、デ・リダーと同様オランダ出身の「サンフフォードMMA」のコーチ、ヘンリ・ホーフトが手助けしてくれたそうだ。
この“武者修行”が実現した経緯について、デ・リダーはこう話している。
「ヘンリとはシンガポールに行った時に、何度か話したことがあった。彼も同じオランダ人だから、話しやすかった。一緒に食事をして、『 来ない?』と誘ってもらった。『ああ、行こうかな』と答えて、家族を連れて旅行をしたんだ」
「とても温かく、フレンドリーで、歓迎してもらった。本当にうれしかった。アウン(ラ・ンサン)は、自分の妻と子供に会った。とてもいいものだった」
かつてライバルだったアウンラ・ンサンは、トレーニングパートナーとなったばかりか、ビグダシュについても話してくれた。
アウンラ・ンサンは、ビグダシュと2度、フルラウンドの世界タイトルマッチを戦い1勝1敗とし、今年2月にラバーマッチで敗れている。このため、ある程度考えを共有できたそうだ。
それほど大きな秘密はなかったようだが、アウンラ・ンサンは7月22日に勝利すると太鼓判を押してくれたという。
デ・リダーはこう話している。
「(アウンラ・ンサンは)ビグダシュがかなりデカくて、2度軽量に失敗したって言っていた。動画で得られた情報以上のものはあまりなかったけれど。そして、すでに知っていたことも教えてくれた。こいつを自分が倒すってことだ」
「他に聞いたことはって? そうだな。ビグダシュは強くて筋肉質だが、そういう情報はみんなが知っている。(試合の)終盤ではかなり疲れていたが、それは見てわかることだ」
デ・リダー「ブラジリアン柔術天国」で充実
ライニアー・デ・リダーは渡米時、「サンフォードMMA」以外のジムでもトレーニングをした。
フロリダ州の「アメリカン・トップ・チーム」では、ブラジリアン柔術のレジェンドのマーカス・アルメイダ(ブラジル)とトレーニングを行った。
その後テキサス州に移動し、有名コーチのジョン・ダナハーの指導を受け、その経験を「ブラジリアン柔術天国」と振り返っている。こうしてグラップリング界の偉人たちとマットを共にしたことを大変楽しんだようだ。
デ・リダーはこう付け加えた。
「最初にフロリダ州に行って、少し滞在した。次に列車でテキサス州に行って、ゴードン・ライアンやジョン・ダナハー、ニコラス・メレガリとトレーニングをした。『ブラジリアン柔術天国』というのは、的を得た言葉だと思う」
「“ブシェシャ(アルメイダのニックネーム)”とフロリダで数ラウンドしたし、テキサスでは前にもジョン(ダナハー)の下でトレーニングしたことはあったけれど、とてもうれしいし、大きな栄誉だ。開始時間が遅かった点を除けば、他はパーフェクトだった」