【4/29大会】デ・リダーとアウンラ・ンサン、再戦を振り返る
ライニアー・デ・リダー(オランダ)は4月29日(木)の「ONE on TNT IV」で、アウンラ・ンサン(ミャンマー)を相手に2度目の勝利を収め、歴史に名を刻んだ。
無敗の総合格闘家、デ・リダーは昨年10月にアウンラ・ンサンから奪ったONEミドル級世界タイトルに加えて、ONEライトヘビー級世界タイトルを獲得。
5ラウンドの長丁場となったダイレクト・リマッチで、デ・リダーは終始圧倒し、2階級王者となった。
「凄まじい戦いだった。アウン(ラ・ンサン)に敬意を表したい。彼は素晴らしいファイターで、チャンピオンだ。終わったことがただ嬉しい」と、デ・リダーは試合後に振り返った。
デ・リダーは、シンガポール・インドア・スタジアムで行われた試合で、レスリングとブラジリアン柔術のスキルを駆使して主導権を握った。1度目の対戦のように、第1ラウンド一本勝ちとはいかなかったが、コレクションに新たなベルトを加えられて喜んでいるようだ。
「ああ、うれしい。これでいいんだ。チョークで決着をつけたかったし、もうちょっと、というところまでいったが、5ラウンドを戦えるってことを見せられたのはよかった」
「心肺機能もスタミナもあって、全部のラウンドでテイクダウンを奪えると証明できたし、6日前参戦ではるかに重い相手で、しかも進化したアウンを相手に自分の度胸を披露できた。だから満足している。今回の彼はとても強かった。前回よりもずっとね」
一方のアウンラ・ンサンは、2つの世界タイトルを失い、当然落胆している。それでも多忙になるであろう残りの2021年に向けて、ポジティブな姿勢を保っている。
「もう少し頑張って、グラウンドゲームに時間をかける必要がある。自分のパフォーマンスには満足していない」と、アウンラ・ンサンは話す。
「(ミャンマーの人々のために)勝てなくて申し訳なく思う。このことについては本当に動揺しているけれど、みなさん、応援してくれてありがとうございます。愛情をありがとうございます。戦い続け、正しいことをし続けてください」
「ダメージは表面的なものなので、あまり休む必要はない。健康だし、月曜日にはトレーニングに戻る。ONEがさせてくれるなら、今年はあと2、3試合はやりたい」
また、デ・リダーはその偉業に甘んじることはない。ライトヘビー級のタイトルを獲得した直後、3階級王者を目指して現ONEヘビー級世界チャンピオンブランドン・ベラ(フィリピン)への挑戦の意思を示した。
ベラは5月15日(土)の「ONE: DANGAL」のメインイベントで、アルジャン・ブラー(インド)と対戦する。デ・リダーはベラを倒して歴史における自身の地位を固めるためにも、ベラの勝利を祈っている。
「ブランドン・ベラはずっとチャンピオンだったから、彼からベルトを奪えるなら、すごいことだ。2つのベルトもすごいけど、3つの方がいい」と、デ・リダーはジョークを飛ばす。
「彼は素晴らしいストライカーだ。レスリングはそこそこだが、自分のレベルには達していない。また歴史的な戦いができればすごいことだ。実現を願っている」
逆にアウンラ・ンサンはミドル級を主戦場にする予定だが、デ・リダーのプランについては賢明と思っていないようだ。
「ライトヘビー級には戻らない。ミドル級に集中する。誰とでも対戦するが、ベストな自分になるには、ミドル級が自分のホームだと思う」と、アウンラ・ンサンは語る。
「スタイル的には、ブランドン(ベラ)は、(デ・リダーと)相性が悪いと思う。彼の手に余るんじゃないかと思う」
デ・リダーは、アウンラ・ンサンとの将来的な再戦はないと考えている。
アウンラ・ンサンはミドル級に階級を落として再び這いあがろうとしているが、デ・リダーは短いながらも充実したライバル関係は納得のいく形で決着がついたと思っているようだ。
「(アウンラ・ンサンと)何度か通りすがりに話した。彼はレジェンドで、偉大なファイターだし、尊敬している。だが、ケージの中ではもう二度と向き合いたくないね」
「この件は終わらせたいね。2勝したし、もう終わりだ」
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