【3/1大会】王者デ・リダー、宿敵マリキンとの防衛戦で「名誉挽回を」
ライニアー・デ・リダー（オランダ）は、3月1日（金）にカタールのルサイル・スポーツ・アリーナで行われる「ONE 166: Qatar」で、進化し続ける姿を披露したいと意気込んでいる。
同大会のONEミドル級MMA世界タイトルマッチ防衛戦では、MMAキャリアで唯一の黒星を付けられた宿敵である現ONEライトヘビー級MMAとONEヘビー級MMA世界王者のアナトリー・マリキン（ロシア）と対決する。
両者は2022年12月に初対戦。当時デ・リダーは無敗の2階級ONE世界チャンピオンで、同じく無敗のマリキンを挑戦者として迎え、ライトヘビー級タイトルの防衛に臨んだ。
だが、第1ラウンドで強打で知られるマリキンにノックアウトされ、2本のうち1本のベルトを奪われていた。
今回のリマッチに向けて最終準備を進めるデ・リダーは、前回の対戦では全力で行けなかったとONE編集部に振り返っている。
「ミスをした。自分らしくなかった。チャンスを逃してしまったから、今回はちゃんとやりたい」
ブラジリアン柔術と柔道の黒帯のデ・リダーは、マリキンに負けるまではONE世界タイトルマッチで2試合連続一本勝ちで防衛を果たしていた。
だが、こうした圧倒的な強さのため、現状のトレーニングに満足し、実力を過信するようになったと言う。
「あの試合の準備や、もしくはその前の試合でもそうだったかもしれないが、自分の強さを見失ってしまった。時間を割いて、あらゆる分野のスキルを磨くことをサボっていた」
「正直に言うと（マリキンに負けるまでは）16連勝していた。自分は傲慢にならないように努めているんだが、それでも傲慢に聞こえるかもしれないが、それまでの試合は楽勝だったんだ。」
「いつもそんな感じだった。対戦相手が目の前にいて、向かっていってテイクダウンして、締め落とす。自分の頭の中では、これが試合の流れで、誰が相手だってこういうことができると思っていた。それが実際にできなくなるまでは」
デ・リダーは、マリキンの強打を警戒していたものの、もっと違った試合になるだろうと予想していた、と振り返っている。
「彼の右パンチは強力で、とても危険な武器だ。だが正直なところ、『こういうのは前にも見たことがあるし、簡単にテイクダウンして、締め落とそう』と思っていた」
「普段の自分はそうじゃない。それに、そういう人間になりたいとも思ったこともない」
そして今回の大会のONEミドル級MMA世界タイトルマッチで、デ・リダーは再びマリキンと戦うことになった。
初にして唯一の黒星を付けられた相手に個人的な恨みは抱いておらず、自身のスキルを高いレベルの戦いで証明することに集中したいというコメントしている。
「マリキンがまた相手になってうれしい。名誉挽回のチャンスだ。これが一番重要だ。前回の試合でやり残したことをやるチャンスだ。これは自分の名誉挽回のためなんだ」
名門「ヘマースジム」で打撃の特訓
直近のMMAマッチから1年以上、ライニアー・デ・リダーは「ONE 166」でのアナトリー・マリキンとの世界タイトルマッチ再戦に向けて重要な調整を行なってきた。
マリキンのフィジカル対策のためにウェイトトレーニングで筋肉量を増やし、打撃を世界的に有名なキックボクサーが集うオランダの「ヘマースジム」で磨き直したという。
デ・リダーはこう説明している。
「自分が心の底から一番重要だと思うこと、技術面でハードなトレーニングをしてきた」
「『ヘマース』では打撃をたくさん練習した。昔もやったことはあったが、今ほど定期的じゃなかったし、集中もしていなかった。あそこに通うのは大変だから」
打撃のスキルに加え、デ・リダーは心構えも見つめ直した。
前回と同じミスを繰り返さないためには、過信に流されない強いメンタルが重要だと言う。
「もうひとつ重要なのはメンタルだ。この1年は深く自分を見つめた。試合に臨む心構えや、自分をファイターとして捉える見方を変えようと努めた」
こうした努力を実らせ、デ・リダーはマリキンに勝って借りを返し、タイトルを防衛して、自身こそがMMA最強のサブミッション・アーティストであることを証明したいと話している。
「自分の強みが何かは知っている。自分ができること、得意なこともわかっている。あとは相手の隙を見つけられるかという時間の問題だ。ちゃんと立ち回っていれば、相手の首を最終的に狙いにいけるだろう」
