【10/13大会】石毛里佳、平田樹の柔道対策に「秘策あり」
10月13日(日)に開催される「ONE: CENTURY 世紀」の朝の部、「ONE: CENTURY PART I」での“タイニードール(小さな人形)”こと石毛里佳(タイ)の試合は、石毛のキャリアにとって大きな意味を持つことになる。それは格闘技史上最大のイベントで行われるからだけではない。
対戦相手の平田樹がこれまででもっとも強敵であるから、そして試合が平田の母国で行われるからだ。
しかし石毛は、そんな不利な条件をはねのけて、自分史上最高の勝利を飾り、女子アトム級で急台頭していくことができると信じている。
平田は今年6月の「ONE:LEGENDARY QUEST」でのONEデビュー戦でアンジェリー・サバナル(フィリピン)に鮮やかな一本勝ちを飾り、アマチュア戦で築いてきた全試合一本勝ち記録、無敗記録を更新した。
グラウンドなら石毛も得意としているが、グラップリング(組み技)で経験十分な平田の前では、無力化されてしまう可能性もある。
「平田は柔道が得意な強敵だ。それに自分よりも若く、プロでまだ負けたことがない」と石毛は語っている。「自分のこれまでのキャリアで、一番タフな試合になると思う」
しかし、それこそまさに、石毛が強みを発揮する状況なのだ。石毛はこれまでに幾度も、追い詰められたところから逆転勝利を挙げてきたのだ。
「プレッシャーは感じている。でもプレッシャーがあればあるほど、自分は強い気持ちになれる」と石毛は言う。
そして今回の試合の石毛は、これまでになく準備万端だ。前回2月の試合からあいた間隔を、石毛は無駄に使ってきたわけではない。両国決戦でキレのあるパフォーマンスを見せるためにトレーニングを積んできたのだ。
「しばらく試合から離れていたのは、フィジカル的にもメンタル的にも、スキルをアップさせたかったからだ。前回の試合からどれだけ進化してきたかを、ぜひお目にかけたい」
さらに石毛は、平田の強みであるグラップリングに対抗するためのゲームプランを練っている。それはおそらく、ムエタイ生誕の地でこれまで世界最高のストライカーたちと練習を積むことによって磨いてきた、スタンド戦のスキルを活用することなのだろう。
「平田の打撃は、自分のこれまでの対戦相手と比べると、そこまで強いわけではない。だから自分は打撃の練習をかなり積んできている。それに、平田の柔道と関節技に対抗するための、テイクダウンディフェンスも練習している」と石毛は付け加えた。
「もちろんゲームプランはある。でも、対戦相手に知られるわけにはいかないので、明かすことはできない。とにかく自分は練習したことにこだわって、ベストを尽くしたい」
平田はこれまで、比較的短時間での楽勝を重ねてきており、ピンチをしのいで逆転した経験がない。他方で石毛の場合には、ピンチから歯を食いしばって逆襲に転じて勝利を飾ってきた経験がある。だからこそ、平田と比べてハートの強さ、決意の強さではアドバンテージがあると考えている。平田が今回もまた楽勝できると思っているなら、それは大きな間違いだと石毛はいう。
「彼女はまだ無敗だから、おそらく自信過剰に陥っている。おそらく自分のことも油断してかかってくるだろう」
今回の試合が重要なのは、日本人とタイ人の血が流れる石毛にとって、今回が日本での初めての試合になるということもある。子供時代の故郷であった国、今でも母親が暮らしている国が日本なのだ。
石毛には、人を引きつけてやまない天性のカリスマ性がある。ニックネームの“タイニードール“は、石毛と同じ名前の日本のおもちゃ、「リカちゃん人形」にちなんだものだ。モデルから格闘家に転身した石毛は、試合後の汗まみれの勝利者インタビューではつい開口一番、「私、まだキレイかしら」と口走ってしまう、根っからの“見られる”プロなのだ。おなじみの入場時のコスプレダンスは、大いにファン人気を博するであろう。ただ石毛は、今回はレベルアップした格闘技のスキルでも新しいファンを獲得すべく意気込んでいる。
「『ONE: CENTURY 世紀』のようなメガイベントに参加できること、そして第2の故郷で、世界中の偉大なアスリートと同じカードで試合をできることを光栄に思っている」
「勝っても負けても、ずっと応援してくださる皆さんにお礼を申し上げたい。10月13日には、自分の東京での試合もぜひご覧いただきたい。ベストを尽くして、皆さんをがっかりさせないようにします!」
東京・両国国技館 | 10月13日 (日) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)
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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。
複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。