【1/10大会】ロッタン、スタンプとカップル出場「楽しかった」
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)とジョナサン・ハガティー(英国)の対戦はまたも年間ベストバウトの候補となった。絶好調のロッタンは、強烈なノックダウン勝ちを挙げた。
1月10日(金)に行われた「ONE: A NEW TOMORROW」で、フライ級ムエタイ世界王者ロッタンはライバルのハガティーを相手に激しいボディーブローの連打で第3ラウンドで試合を決めた。
ロッタンは誰にも止められない勢いで猛攻を続け、ハガティーは4度キャンバスに崩れ落ちた。昨年8月の両者の初試合とは異なり、ロッタンはすぐにペースをつかみ、試合開始後1分もしないうちに最初のノックダウンを決めた。
「今回の試合では最初から全力で臨んだ。タイのファンのためにそうせざるを得なかった。ムエタイの世界タイトルを故郷で防衛する機会だったのだから」と、ロッタンは語る。
「前回は、様子を見るプロセスがあった。自分はやり合いたかったから、前回の試合は満足がいくものではなかった。今回はホームでの戦いだったから、第1ラウンドからすべてを出し切った」
序盤からのロッタンの激しいボディーブローはハガティーをダウンさせたが、他のアスリートであればそのままフィニッシュとなったかもしれない。だが、ハガティーは審判のカウント前に立ち上がり、打たれ強さを見せつけた。
何とか第1ラウンドを乗り切ったハガティーだが、再びダウンするまでにそう時間はかからなかった。プレッシャーをかけ続けたロッタンが、また強烈な一撃をお見舞いしたのだ。
「自分が優勢なのはわかっていたが、先走って安心したくはなかった。まだ4ラウンド残っていたから、今リードしていても大して意味はないと思っていた」と、ロッタンは説明する。
「第2ラウンドでは、最初のうち少しだけ様子を見てから調子を上げていった。第3ラウンドでは全く手加減しなかった。正面からのぶつかり合いも辞さなかった。息つく暇も与えないつもりだった」
「第3ラウンドでのKO勝ちが目標だったから、思いきり行ったらそれが叶った。第3ラウンドで最初にノックダウンを決めた時、フィニッシュできると思ったから狙いに行った」
間をおかずにさらに2度のノックダウンが続き、ロッタンはハガティーに力強いパンチを決め、テクニカルノックアウトで勝利を手にした。積極的に攻め続けたロッタンだが、パンチを完璧なスポットに打ち込む冷静さは失わなかった。
試合開始数分前、タイで外国人アスリートを相手にタイトル防衛に臨むプレッシャーを感じていた時は、リングで見せた冷静さをまったく感じられなかったとロッタンは打ち明ける。
「試合が始まる前は、あちこち歩きまわって、何度もトイレに行ったよ」と、ロッタンは認める。
「落ち着いて座っていられなかった。自分にとって大きな戦いで、勝たなければいけないと感じていた」
父親が会場に来ていたことも、ロッタンにとってこの試合が重要なものとなった理由の1つだった。
両親はロッタンのキャリアをずっと支えてきたが、実際に試合を見る機会はそうそうなかった。だからこそ、インパクト・アリーナで自分の一番のファンである父親の前で戦えることは特別だった。
「父と、家族や親せきが試合を見に来てくれた。本当に多くの人たちが自分を応援してくれていたんだ。マレーシアからわざわざ自分のために来てくれたファンもいた」
「(父は)試合の後、ほとんど何も言わなかった。言葉で気持ちを伝えるタイプではないからね。でも、誇りに思ってくれているのはわかった。そう思ってもらえたことが、本当に嬉しかった」
今回は、交際中のスタンプ・フェアテックス(タイ)と共に出場した最初の大会でもあった。ロッタンにとっては極めてポジティブな体験だった。
「スタンプと一緒にメインカードに出場できたのは楽しかった」と、ロッタンは言う。
「付き合ってはいるが、自分もスタンプも全力で試合に集中していることに変わりはないと周りに見せられたのは有意義だった」
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