【5/20大会】ルオトロ兄弟が振り返るデビュー戦、ケイドは青木とのMMA再戦も視野
19歳の双子のルオトロ兄弟は5月20日、「ONE 157: Petchmorakot vs. Vienot」で行われたライト級サブミッション・グラップリングマッチで見事な勝利を収め、世界中のファンにその存在を知らしめた。
ケイド・ルオトロは青木真也に判定で勝利。タイ・ルオトロはゲイリー・トノン(米国)に一本勝ちした。
2人ともONEチャンピオンシップデビュー戦で前評判通りのパフォーマンスを披露。ケイドは10分間にわたって元ONEライト級世界チャンピオンの青木を執拗に攻め続け、絶えずプレッシャーをかけた。
ケイドはフィニッシュ勝利こそならなかったが、ONEのケージ「サークル」の金網を蹴って組み付き後半にはバギーチョークを狙うなど、巧みな動きでファンを魅了し、勝利に満足している様子だ。
ケイドは試合後こうコメントしている。
「自分にとって、大きな、大きな勝利だ。(青木)シンヤはとてもタフな相手で、MMAと柔術の両方で活躍する有数の柔術家だから」
「絶対に一本勝ちすると思っていた。だから今は少しがっかりしている。けれども同時に、試合中にはクールな瞬間がいくつかあった」
一方、タイのフィニッシュ勝利は衝撃的だった。
相手のトノンは30歳。ブラジリアン柔術のベテランで、脅威のディフェンスで知られる。これまでほとんどサブミッションをされたことがなかったものの、タイにわずか97秒で仕留められた。
タイは、テイクダウンの後ガードをパスして、得意技のダースチョークを素早く決めた。
タイはこう話している。
「これ以上うまくいくことってないと思う。ゲイリーは、この競技のレジェンドだ。あの短時間でダースチョークを決められて、すっごく、すっごく、興奮した。本当に大喜びだったよ」
「ゲイリーは、『エスケープ・アーティスト』として知られている。さまざまなポジションから脱出する方法を持っているから。だから、チャンスをつかんで、フィニッシュできてとても嬉しい」
タイにはONEチャンピオンシップのチャトリ・シットヨートン会長兼グループCEOから、5万米ドル(約640万円)のパフォーマンス・ボーナスが贈られた。しかし、自分だけで遣い切るつもりはないようだ。
タイはこうコメントしている。
「ボーナスは分けるよ。コスタリカで立ち上げる予定のジムに遣うのは確かだ。早くジムを立ち上げて、運営して、楽園でトレーニングしたいよ」
ルオトロ兄弟、次はMMAに?
ルオトロ兄弟は「サークル」の中での将来を描いており、ファンも「ONE 157」に続いて彼らの姿を見るのを待ち望んでいる。
だが、両者はまずはサブミッション・グラップリングの世界最高峰の大会、2022年のADCC世界選手権に出場する。その後、新たな競技への挑戦も予定している。
ケイドは近い将来、4オンスのMMAグローブを付けて総合格闘技マッチに出ることを熱望しており、このルールでの青木とのリマッチの可能性も否定していない。
ケイドはこう話している。
「今年はまだやりたいことがいくつかある。ONEのサブミッション・グラップリングもあと2回はやりたいし、9月にはADCCという大きな大会もある。でも、その後できるだけ早く、基本的には年末か来年の初めに、今度はグローブを付けて『サークル』に入るつもりだ」
「もし、彼にその気があるなら(青木とMMAでのリマッチを)やりたい。MMAデビュー戦として最高だ。今回の試合ではかなり優勢だと思った。そして、MMAでも同じような結果になる気がする」
タイも元ONEフェザー級世界王座挑戦者のトノンとの再戦に興味を示しており、再び勝利を挙げられると信じている様子だ。
だが、どんな挑戦にも前向きなタイは、どんな相手と当たっても断ることはほぼないだろう。
タイはこう話している。
「正直なところ、柔術で次に誰とやりたいのか分からないんだ。もしかしたらMMAでデビューするかもしれない。ケイドと自分はそのために必死になっているんだ。でも、どちらでもいい。有名無名を問わず、世界の誰とでも戦いたいんだ。準備は万端だ」
「MMAでゲイリーと再戦する機会があれば、とてもクールだと思う。今回の試合のパフォーマンスからすると、自分はそれに値すると思う。柔術では、可能な限り謙虚な姿勢で、彼に優っていると証明した。そして、自分のパンチも彼より強いと思う。だから、MMAでも彼とやってみたい」