【5/28大会】セーマペッチ「KOのチャンスがあれば、すぐ決める」
ONEスーパーシリーズのバンタム級ムエタイのトップコンテンダーのセーマペッチ・フェアテックス(タイ)は、自身の立ち位置が狙われていることを知っている。
だが、そうしたファイターたちを恐れはしない。たとえ、それが強敵のクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)であってもだ。
26歳のセーマペッチは、3位コンテンダーのクラップダムと、5月28日(金)の「ONE: FULL BLAST」のメインイベントで対戦する。だが、この相手の評判や危険な性質に怯えることはない。
「クラップダムはアグレッシブなスタイルで、試合では前に出てクレイジーに戦うのが好きだ」と、セーマペッチは語る。
「いいコンビネーションで知られている。ローキックとヘビーパンチだ。だが、彼は自分より遅いと思うから、相手の攻撃をブロックできると思う」
「何も恐れてはいない。彼は絶好調な時は、予測不可能なことができるから、倒すのは難しいだろうが、ここ数試合を見る限り、彼は多くの弱点を露呈している」
セーマペッチは、122勝16敗1分という輝かしい戦績の持ち主で、今回の対戦相手には特に注目してきた。実は、両者はもともと、2020年のONEバンタム級ムエタイ・トーナメント準決勝で対戦予定だったのだ。
その年の8月、準決勝でセーマペッチはロドレック・PK・センチャイムエタイジムをマジョリティ判定で敗った。
一方のクラップダムは、もう1つの準決勝でセンマニー・クロンスアンプルリゾート(タイ)を第1ラウンドでノックアウトして勝利を挙げた。
両者は決勝で爆発的な対戦が期待されたが、残念ながらそうはいかなかった。
セーマペッチはロドレック戦で手を負傷。数日後医師に相談し、治療のために決勝戦を辞退。トーナメント優勝とONEバンタム級ムエタイ世界王者ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)の有する世界タイトル挑戦の機会を諦めることになった。
ノンオーは、ONEスーパーシリーズでセーマペッチを倒した唯一の選手であり、この階級の王者のため、つらい決断だった。
「昨年のトーナメント決勝で戦えなかったことは、とても残念だった」と、セーマペッチは振り返る。「ノンオーの持つ世界タイトルに挑戦するための機会をまた逃してしまった。大きなミスだった」
クラップダムもまた違った理由で落胆したことだろう。
敗退したロドレックが代打出場でトーナメントに舞い戻り、クラップダムは2度ダウンを奪われ、ユナニマス判定で敗れた。
この結果は、セーマペッチの胸につかえている。そこで勝利し、ノンオーに挑戦したのは自分だったかもしれないのだから。
このため、セーマペッチはクラップダム戦に向けて確かなビジョンを描いている。
「ロドレックは、クラップダムをはっきりと負かした。だが、自分はロドレックに勝っていたんだ。だから、クラップダムと自分の試合がどうなるか、わかっているつもりだ」
「相手をみくびるつもりはないが、ロドレックがあんなにはっきり倒した相手なら、自分だって倒せると思う」
セーマペッチは、自信に満ち溢れているが、同胞に勝つのはそう簡単ではないこともわかっている。
クラップダムはルンピニースタジアムで2度のムエタイ世界チャンピオンに輝いており、プロ戦績は63勝11敗5分。前に出るスタイル、ローキック、そして特にトレードマークである左パンチで知られている。
セーマペッチは危険な武器とノックアウトパワーを持っていることを認える。さらに、その左手のパワーは決して軽視できないとも。
プラン通りに進めば、クラップダムのベストショットをかわし、自身の強力な打撃で、ロドレックがなし得なかったKO勝利を上げることができるだろう。
「サウスポー対サウスポーで、クラッブダムと互角に渡り合うつもりだ」と、セーマペッチは語る。
「自分の最強のスキルをさらに強くするために準備してきたが、相手がリングで何を出してくるかはわからない。自分はパンチ、キック、ヒジがある。彼も非常に優れたファイターなので、ノックアウトは期待できない」
「しかし、信じていてほしい。フィニッシュするチャンスがあれば、すぐに決めてやる」
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