【8/14大会】セーマペッチ、ロドレック戦「新しいスタイルで行く」
セーマペッチ・フェアテックス(タイ)は、ONEバンタム級ムエタイ世界タイトルにもう1度挑みに行くための貴重な機会を手に入れた。
セーマペッチは、8月14日(金)の「ONE: NO SURRENDER II」のメインイベントで、長年のライバルであるロドレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ)と対戦する。
この試合は、4人制で行われるONEバンタム級ムエタイトーナメントの準決勝でもあり、優勝者は現チャンピオンのノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)への挑戦権を手にするのだ。
セーマペッチは、パタヤに住む25歳。MTGPウェルター級ムエタイ世界チャンピオンで、フェアテックス・ジム所属のサウスポー。
2018年7月にONEデビューし、デイヴィダス・ダニーラ(リトアニア)、後にONEバンタム級キックボクシング世界王者になるアラヴァディ・ラマザノフ(ロシア)、オグニエン・トピッチ(セルビア/米国)を立て続けに下した。
これらの勝利により、世界タイトル戦に出場する機会を得て2019年11月、経験豊富なアスリートであるノンオーと対戦した。
セーマペッチは善戦したが、最終的には第4ラウンドでノックアウト負けを喫した。だがその試合は後に「2019年ONEスーパーリシーズベストバウト10選」に選ばれた。
「試合中は、お互いに知らない者同士であったかのように、フルパワーで戦った。ベストを尽くそうと集中し、あの結果だった」と、セーマペッチは振り返る。
「彼の方が自分より経験があるから、試合はTKO負けで終わった。彼と戦ったことを誇らしく思う」
セーマペッチはまた、自身のヒーローと対戦したことで貴重な教訓を得た。
「彼から多くのことを学び、自分のスタイルに取り入れた。攻撃やパンチのスタイル、ヘビーな打撃、カウンター攻撃、そして戦術だ」
セーマペッチはその教訓を次の試合で生かそうと意気込んでいる。今回の相手は、長年のライバルであるロドレックだ。
2人は、これまでに3度対戦しており、ロドレックが2勝1敗とリードしている。
「ロドレックは戦車のようだ。キックやヒザで攻め続け、対戦相手へのプレッシャーを保とうとずっと前に出てくる」
「(彼の最高の武器は)拳、エルボー、そしてヒザだろう。特にヒザだ。ヒザの技術を極めている」
ロドレックもONEチャンピオンシップで活躍してきた。
2019年6月にONEデビューし、立て続けに3人を倒した。クリス・ショー(スコットランド)、セーマペッチのチームメートでもあるアンドリュー・ミラー(スコットランド)、そして現在ONE公式アスリートランキングでバンタム級キックボクシング4位のリアム・ハリソン(英国)だ。
ロドレックは勢いもあり、このライバル関係において優位に立っているが、セーマペッチは前に犯した間違いから学んだ教訓を生かし、対戦成績をイーブンに戻したいと意気込んでいる。
過去にロドレックと対戦した際は、経験も浅く、ヒザの打撃といった決定的な技術をゲームプランにうまく盛り込めなかった。
だが今回、セーマペッチは8月14日には、ムエタイの別名である「八肢の芸術」の名前通りの多様な攻撃の選択肢に加え、新しく学んだ技術も総動員するつもりだ。
「今回は簡単には行かない。新しい技術も学んだ。試合経験も多いし、新しい自分のスタイルを繰り出すつもりだ」
セーマペッチは大会を前に、対戦相手にごくシンプルなメッセージを送った。
「何が起ころうと、タイ人として我々はファミリーだ。でも、ボクシングのリングの上では最善を尽くさないといけない」