怪我から回復中セージ・ノースカット、ライト級で復帰へ
セージ・ノースカット(米国)のONEチャンピオンシップでのキャリアの始まりは理想的なものではなかったが、将来への期待は大きいままだ。
ノースカットは今年5月、シンガポールで開かれた「ONE:ENTER THE DRAGON」でONEデビューを果たした。だがコスモ・アレクサンドレ(ブラジル)とウェルター級マッチで対戦し、第1ラウンドで強烈な右オーバーハンドを食らってノックアウト負けを喫したのだった。
そのパンチがノースカットに深刻なダメージを与えたのは明らかだった。
試合の後、ノースカットはシンガポールの地元の病院に直行し、8か所の顔面骨折の修復のため、9時間に及ぶ手術を受けたのだ。米国に戻ってからもまだ回復途上にある。
試合に戻るまでの道のりは長く辛いものだが、23歳のノースカットはいつものように、明るいままだった。
最近、姉のコルビー・ノースカットのONEデビュー戦のために、共にシンガポールを訪れた時、セージは素晴らしい知らせを受け取った。
「かなり良い状態に回復している。手術から6か月が経った。健康を維持し、体型を保ち、そしてできるだけ健康的な食生活を送るようにしている」
「姉のコルビーの試合に付き添って11月にシンガポールに行った時、医者から(トレーニングを再開してよいという)オーケーをもらったんだ。術後の状態をチェックして、軽いトレーニングから始めてもいいと言ってもらった。激しすぎるのはまだダメだけど」
「トレーニングを楽しみにしている。総合格闘技、レスリング、ブラジリアン柔術、ボクシングなど全部。だからすぐにまた試合に出られるようになる」
ONE初戦は計画通りにはいかなかったが、空手世界チャンピオンに何度も輝いたノースカットにとって、デビュー戦での全体的な経験はキャリア史上最高のものだったと言う。
ONEの役員たちが全ての選手に敬意を払っていたことや、試合後の自分を気遣ってくれたことに、ノースカットはとても感謝している。
「ONEチャンピオンシップは素晴らしい団体だ」
「選手への接し方が素晴らしい。どの選手についても、たとえ良い試合ができなかったとしても、オーナーですら彼らを悪く言うことがない」
「例えば、チャトリ氏(会長兼ONEチャンピオンシップCEO)はわざわざ病院まで足を運び、自分の状態を見に来てくれたんだ」
「何か必要なものがないか、何かできることはないかと考えてくれた。本当に心から感激した。彼のために戦えることにとても感謝している」
リハビリ中はトレーニングができなかったが、ノースカットは他の活動を通して忙しく立ち回ってきた。
例えばONEの他のイベントを頻繁に観戦して対戦相手になり得る選手を探したり、できるだけ彼らから学ぼうとしたりしてきた。
さらに11月には、姉のコルビーをサポートするためにシンガポールにやってきた。コルビーは「ONE:EDGE OF GREATNESS」でプトゥリ・パドミ(インドネシア)にユナニマス判定勝ちを収めた。
「姉と共に試合会場に行って、水分補給の係をやった。ラウンドの合間に水をあげる役だ。すごく楽しかった」
「間違いなく良い経験になった。彼女のONEデビュー戦は自分のと比べると圧倒的に良かったね!」
ノースカットは今のところ、ONEで予定されている試合はない。
まだ軽いトレーニングを始めたばかりだからだ。だが完全回復したらすぐに、ONEでの次の試合に向けて練習に熱を上げるだろう。
さらに、ノースカットは復帰に際し、階級をライト級に落とすつもりだ。世界中のファンがこれまでに見たことがないようなスキルを見せつけて、彼らを魅了したいと考えている。
「試合に出て、みんなが『おー!』となるような圧倒的な戦いを見せたい」
「これまでとは違う『セージ・ノースカット』になると思う。手術と(家での)リハビリのおかげで、いろいろなことに気づいたんだ。例えば、自分がこれまでに使ったことすらないテクニックがものすごくたくさんあるとかね」
「まだ誰にも見せたことがないクレイジーなキックがあるんだ。ものすごく強烈なキックやレスリングができる。これらを最大限に生かしたい」