【10/13大会】サムエー、主戦場の新設ストロー級で参戦「誰が相手でも大丈夫」
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)は、ONEチャンピオンシップと共に歴史を築いてきた。だが、これまではいつも、不利な立場で戦ってきた。
ONEが開催した最初のムエタイの試合を戦ったのは、サムエーだった。ONEフライ級ムエタイ世界王者にもなった。36歳の今、彼はムエタイの伝説的な存在だ。でもONEで試合に臨む時はいつも、相手との体格差は否めなかった。
それは、自分を試したかったからだ。サムエーはプロとして360勝以上を挙げ、何度も世界タイトルを手にしてきた。だがONEでは階級を上げ、自分より体格が大きい選手と戦うことで、自分とそのスキルを試してきたのだ。
しかし10月13日(日)の「ONE:CENTURY 世紀」第1部に登場するときは、サムエーは主戦場のストロー級に戻る。そしてダレン・ローラン(フランス)と対峙するとき、サムエーはもはや不利な立場にはない。
「新しくできたストロー級に出場できることを本当に楽しみにしている」
「自分にとっては無理がない階級なんだ。ストロー級なら誰が相手でも大丈夫」
前回の5月の試合は、サムエーにとってベストな状態ではなかったという。ベルトを奪われるという屈辱の敗戦を喫したが、それでもジョナサン・ハガティー(英国)を相手に、年間ベストバウト最有力とも言える試合を戦って見せた。
その試合、サムエーは明らかに体格で劣っていたし、1年以上、試合から離れていたことも影響した。
だがサムエーは今、得意のストロー級での試合に向け、万全の準備にあたる。今回はベストな状態で臨めるだろう。
「コンディションは問題ない。前回の試合からずっとトレーニングを続け、体のキレを失わないようにしてきた」
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だが、勝利の保証はどこにもない。ローランは21歳の若手だが、世界ボクシング評議会(WBC)ムエタイ世界王者という実力者。ムエタイの伝説サムエーを倒して名を挙げたいと待ち構えている。
ローランを見くびることはできないし、彼のクリンチは危険だと分かっている。だが、経験豊富なサムエーが「これまでに見たこともない」ほどのものではないと見る。
「心配しすぎる必要はないと思っている。彼には経験がなさすぎる」
「でもローランのヒザの使い方は素晴らしい。ヒザを使った攻撃をしっかり防げるよう、きちんと準備しないと」
「この試合、自分の経験を生かして勝つことができると思う。どの試合もそうだが、不注意になることもないし、過信することもない」
そうは言っても、サムエーは見ごたえのあるノックアウトを求めて、全力でぶつかるつもりのようだ。
「この試合では、重くて威力のある攻撃を繰り出すことに集中したい」
サムエーにとってはキャリア2度目となる東京での試合。しかも、格闘技史上、最大のイベントとあって、否が応でも気迫は増す。
ムエタイ史上最強の選手の一人として、伝説と呼ばれるにふさわしいパフォーマンスを見せてくれるに違いない。
「東京では1度戦ったことがある。また戻って来られてすごくてうれしい」
「しかもこんな歴史的なイベントで戦えるなんて。この素晴らしい機会を与えてくれたONEチャンピオンシップに感謝したい!」