【10/9大会】サムエー、トナー戦の勝利の鍵は「キックとヒジ」

Sam A Gaiyanghadao defeats Wang Junguang at ONE MARK OF GREATNESS DC 3269

2競技ONE世界チャンピオンのサムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)の願いはかなった。

4ヶ月前のジョシュ・トナー(オーストラリア)の挑戦に応え、対戦の機会を得たのだ。

サムエーは、10月9日(金)に行われる「ONE: REIGN OF DYNASTIES 」でONEストロー級ムエタイ世界タイトルの防衛に臨む。

「新型コロナウイルスの大流行の前から自分と戦いたかったと聞いた」と、サムエーは話す。「戦うことになって嬉しい」

サムエーは、ONEチャンピオンシップ初のムエタイマッチで、ジョゼフ・ラシリ(イタリア)を倒した2018年1月から圧倒的な強さを披露してきた。

その4ヶ月後には、セルジオ・ウィールゼン(スリナム)にハイライト級のノックアウト勝ち、初代ONEフライ級ムエタイ世界タイトルを手にしたのだった。

だが、そのベルトを保持し続けることはできなかった。2019年5月、サムエーはジョナサン・ハガティー(イギリス)戦で体格差で苦しみ、王座を譲り渡した。

幸運なことに、ONEはその後ストロー級を創設。サムエーは通常体重に近い階級で戦えるようになり、以来歴史を築いてきた。



2019年12月には新しい競技でも頂点に立った。ワン・ジュングァン(中国)に勝利し初代ONEストロー級キックボクシング世界タイトルを手にしたのだ。その3ヶ月後には、ロッキー・オグデン(オーストラリア)を倒し、初代ONEストロー級ムエタイ世界タイトルも獲得した。

ONEでは圧倒的な強さを誇ってきたサムエーだが、再びベルトを、それも2つ獲得するなどと思ってもみなかった時があるという。

「できるとは思っていなかった」と、サムエーは認める。

「フライ級のチャンピオンだったが、チャトリ(シットヨートンONE会長兼グループCEO)がストロー級で自分の力を証明するチャンスをくれた。そしてそのチャンスを生かした」

「全てのボクサーの夢は、大きな戦いに勝つことで、自分はそれをやり遂げた。だがもう1つやりたかったことは、できる限りチャンピオンであり続けることだった。タイトルを獲って、チャンピオンであり続けることは難しいし、防衛するもはもっと難しい。いまだに頑張ってトレーニングしている」

今回の対戦相手、トナーはアンダードッグとしてリングに上がるが、サムエーは決して侮ってはいない。そしてそれには正当な理由がある。

トナーは32歳で、ISKA K-1世界チャンピオン。ONEスーパーシリーズでは厳しいスタートを切った。サムエーのように上のフライ級で戦い、勝利も厳しい敗戦も経験した。

だが、ストロー級創設により、階級を下げて本来のスピードとパワーを生かせるようになった。

2月には5度ムエタイの世界チャンピオンになったアンディ・ハウソン(イギリス)をノックアウトし、階級の脅威となった。現在トナーはランキング1位にまで上り詰めている。

もちろん、この事実はサムエーも気付いている。

「彼の試合を見ていた。最後の試合では凄かった。自然な階級だからだろう」と、サムエーは語る。「フライ級で戦ったときは、遅かった。ずっと遅かった。だがこの階級になって、より素早く強くなったと思う。打撃も強かった」

Sam-A Gaiyanghadao vs. Rocky Ogden at ONE KING OF THE JUNGLE

サムエーは、トナーの武器を警戒している。

例えば、トナーはリングに上がればパワーのアドバンテージがあるし、ボクシングとヒザの急襲もあり得る。

トナーはフライ級時代の2019年7月の森本義久戦での勝利と、前述のハウソン戦の第2ラウンドノックアウト勝ちで、パンチ力、キック、ヒザの攻撃を見事に披露した。

サムエーは試合の夜、これらへの対応を迫られる。

「コンビネーションで打撃を放ってくるから、やり返すためにも賢くディフェンスしないといけない」

「見たところ、パンチとヒザが上手い。キックはそこそこだが、パンチとヒザはパワフルだ」

Sam-A Gaiyanghadao throws a roundhouse kick at Rocky Ogden in February 2020

だが、サムエーに有利に働く材料も多々ある。

例えば、経験値の高さ。サムエーは驚異のプロ戦績369勝47敗9分の持ち主であり、およそ30年にわたって戦い続けてきた。

さらに、サムエーはこの業界で、強烈な打撃、隙のないディフェンス、素早いキックで知られている。

また、前に述べたウィールゼン戦では、ヒジでノックアウトしており、トナーが相手でも同様の勝ち方を狙うこともできる。

「自分がジョシュ・トナーよりも上手いのは、おそらくキック、ムエタイの打撃、そしてヒジだろう」

「だから彼はヒザで攻撃してくる前に、自分のキックとヒジを食うだろう」

ONE Strawweight Kickboxing World Champion Sam-A Gaiyanghadao celebrates his win against Wang Junguang

サムエーは今、この名高いムエタイの打撃で再びハイライト級の勝利を挙げたいと思っている。必ずフィニッシュを狙いに行くだろうし、特別な方法でベルトを防衛するためにも全力でかかるだろう。

「可能なら、自分を守るため、そして美しい勝利を挙げるためにみんな対戦相手をノックアウトしたいものだ」

「だが、それは不可能だ。自分はいいディフェンスをしてポイントで勝つ。外国人ボクサーの武器はタイのボクサーとは違う。注意を怠ってはいけない。いつだって気を付けなければならないんだ」

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