【2/28大会】2冠目サムエー「王者として一層のトレーニングを」
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)が2月28日(金)、シンガポールで開かれた「ONE:KING OF THE JUNGLE」での素晴らしいパフォーマンスで、自身の伝説に新たな1ページを加えた。
ロッキー・オグデン(オーストラリア)を相手にユナニマス判定で勝利。ムエタイのアイコンとしてふさわしい美しいディフェンスや、目を見張るようなオフェンスで完璧な試合運びを見せ、ONEストロー級ムエタイの初代世界チャンピオンに就任した。
サムエーが「格闘技の本拠地」であるONEチャンピオンシップでベルトを巻くのは3度目。さらに、ストロー級キックボクシングのタイトルと合わせて2種目王者となった。
「自分の国の国技であるムエタイの世界タイトルを獲れてうれしい。この勝利でタイの人々と自分の名前を上げられた」
36歳のサムエーは、ムエタイに20年以上関わってきた。今回の試合内容にも満足しているという。
「この試合ではとても調子がよかった」
「5ラウンドにわたって強くあり続ける事ができたし、いいゲームプランもあったし、それを実行に移せて、より良いコンビネーションを繰り出す事ができた」
「第1ラウンドでは相手の様子を見ていた。相手がどういう風に来るのか、そして相手のリズムを見極めるために。焦ってはいなかった」
サムエーの作戦は、オグデンを試合序盤に攻撃的にさせた。だが、オグデンは、攻撃に出ようとするたび、サムエーのカウンターに苦しんだ。
第2ラウンド以降、サムエーが徐々に攻撃を決め、本領を見せ始めた。
「第2ラウンドまでには、調子を掴み始めていた。だんだん相手のことが読めきて、動き始めた」
「第3ラウンドでは、勝つことができると確信した。徐々に全力で行き始めて、強い打撃を打ち始めた。自分は素早かったから、相手はキックをブロックできなかったようだ。相手の攻撃は見切っていたし、自分の攻撃も当たった。肘でも膝でもパンチでもキックでも、よくコントロールしていると感じた」
第4ラウンドまでには、オグデンが世界タイトルを引き寄せるためにはフィニッシュしかないという戦況になっていた。
オグデンはより攻撃的になり、前に出るようになったが、フィニッシュ勝利により近かったのはサムエーだった。
「第4ラウンドは全力で行った」
「金網側で、エルボーを打ち始めた。そこでフィニッシュできると思ったけれど、相手は諦めなかった。そこで戦況を考えてみて、ノックアウトはできないだろうと思った。クリーンショットを何度も決めていたのに相手の回復は早かった」
「相手は若く、度胸もあって、やる気に満ちていた。フィニッシュはできないと思ったから、戦い続けてポイントを稼いぐことにした。自分が優勢なのも、そういう風に勝てることも知っていたから」
サムエーは作戦変更を余儀なくされたにも関わらず、相手に付け入る隙を与えまいと攻撃の手は緩めなかった。
オグデンより16歳も年上であるにも関わらず、サムエーは試合終了までスタミナを切らさず、プレッシャーを維持した。
「前に出続けた。相手に息をつかせる隙を与えたくなかったから」
「相手が調子付かないように、怖気付かせようとした。逆転のチャンスを与えたくなかった。タイでの試合のようには戦えない。優勢であっても、ずっと前に出続けて全力で行く。どのくらい自分が行けるか、コンディションも試したかった」
「前回の試合よりもいい仕上がりだった。長い時間試合から離れていたくなかったから、ずっとトレーニングしていた。楽しかったよ!調子もよかったし、楽しめた。けれども、観客がいない会場で戦うのは変な気持ちだった。観客がいたらもっといい試合ができたと思うのに」
オグデンは、若干20歳。サムエーは、再びオグデンの挑戦を受けることもあると期待する。
「ロッキー(オグデン)は素晴らしかった。将来性がある。もっと行けると思う」
「やる気があって、真のファイターになるための必要な素質を持っている。頑張り屋で、勤勉だし、ガッツもあるし、打たれ強い」
サムエーは、4ヶ月で3戦というスケジュールをこなし、定期的な試合出場のペースを掴み始めた。年内には、2つのベルトの防衛を視野に入れる。
「自分の義務と仕事を知らないといけない。キックボクシングでもムエタイでも、チャンピオンとしてよりトレーニングを頑張らなければいけない」
「まだまだ頑張らなければならない点もあるから、キックボクシングはちょっと心配するところもある。でも、徐々に向上すると思う。ムエタイでの経験が役に立っているから」
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