【12/6大会】ムエタイ戦士サムエー、初キックルールでタイトル戦
世界最強のムエタイ戦士の一人サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)が、キックボクシング界の頂点に立とうとしている。
12月6日(金)にマレーシア・クアラルンプールで開かれる「ONE:MARK OF GREATNESS」で、サムエーはONEストロー級キックボクシングの初代王座に挑む。対戦相手は中国のワン・ジュングァンだ。
ONEチャンピオンシップにとって歴史的な年だった2019年を締めくくる大会の、メインイベントとしてふさわしい戦いになるだろう。
サムエーはシンガポールのメガジム「Evolve MMA」に所属する36歳のベテランで、プロ戦歴は400戦を超える。だがサムエーは新たな挑戦を前に、気を高ぶらせている。キックボクシング・ルールでの試合は始めてであり、不安を感じているとも認める。
「長い間キックボクシングで戦いたいと思っていた。どんな感じなのか知りたい」
「プレッシャーを感じている。ムエタイでは経験豊富だが、キックボクシングは初めてで、しかもタイトル戦だ」
「本当に興奮しているし緊張している。だがベストを尽くすことに集中しないといけない。結果はわからないが、最善を尽くす。この機会をくれたONEに感謝したい」
キックボクシングはムエタイとは違う攻め方が必要になる。30年以上戦って身に着けたムエタイの習慣から脱しないといけないということだ。
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「スタイルを変えないといけない。もっと積極的にコンビネーションを使っていく必要がある」
「ムエタイのようにじっと立っていることはできない。キックボクシングでは足を使わないと。ムエタイは、立って、ブロックして、そして考える、だ」
「キックボクシングではヒジ打ちは反則だから、トレーニングではヒジを打たないよう自分に言い聞かせている」
対戦相手のワンは中国の格闘技団体「エンフュージョン」の世界チャンピオン。だがサムエーはストロー級で戦えることが、ワンとの試合をやりやすくする要素の一つと見ている。
サムエーはONEスーパーシリーズの初代フライ級王者だが、ストロー級のほうが適していると考えいる。ルンピニースタジアムのムエタイ世界王者として活躍した頃の自分の体格に近いからだ。
サムエーは今年10月の「ONE:CENTURY 世紀」で、ダレン・ローラン(フランス)とストロー級で対戦。磨き抜かれた打撃のスキルがストロー級の選手相手にいかに脅威になるかを見せつけ、ノックアウト勝ちを決めた。
「ストロー級が自分の階級だ。調子は良かったし、うまくいけた。リラックスできたし、間違いなく体が軽く感じた」
サムエーの素早い動きやカウンターは、今回の試合のカギになるかもしれない。相手のワンは今年10月に衝撃のONEデビューを決めているからだ。
ワンは「ONE:DAWN OF VALOR」でフェデリコ・ローマ(アルゼンチン)と対戦。驚異的なスピードとパワーを披露して、第1ラウンドでローマを撃破し、連勝記録を8まで延ばした。
ワンの重くて素早いボクシングのコンビネーションは、サムエーがこれまでムエタイで見たことがないものだ。だがサムエーは準備を整えている。
ワンのビデオを研究して、自分の得意な打撃を最大限に生かして勝利につなげられるようなゲームプランを練ってきた。
「ワンのパンチは強くて速い。最初の数ラウンドは本当にアグレッシブに攻めてくるだろう。気を付けないといけない」
「だがディフェンスは最高だとは思わないし、隙がある。ここをうまく突いて自分のスタイルに持ち込みたい。あまり間合いは詰めたくないし、キックなど外からの攻撃を活用したい」
「このような機会をもらえることは自分にとって大きな意味がある。特にキックボクシングのルールでは初めての試合になるのだから。スタイルを変えることも、世界タイトル戦に挑戦することもたやすいことではない。だが自分はできると証明したい」
クアラルンプール | 12月6日 (金) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)