【10/13大会】サミー・サナ「ペトロシアン の時代を終わらせる」
サミー・サナ(フランス)は10月13日、東京・両国国技館で行われる「ONE:CENTURY 世紀」の夜の部、「ONE: CENTURY PART II」でキックボクシングの王者をトップの座から引きずり下ろし、自らが王冠を手にする準備ができている。
サナはフェザー級世界グランプリ決勝戦でイタリアのジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)に挑む。ライバルのペトロシアンを尊敬するサナだが、試合に勝つのは自分だと確信している。
東京、両国国技館でのこの試合で勝者となれば、100万米ドル(約1億円)の賞金を手にし、フェザー級のトップとしての確固とした地位を築くことになる。
格闘技界で、今年のサナほど一気に名声を上げたキックボクシングの選手はいないだろう。
30歳のサナは、一度は負けを喫したヨドサンクライ・IWE・フェアテックスに勝利してグランプリの幕を開けた。これは同時に、タイの伝説のキックボクサー、フェアテックスの7年間の連勝記録にストップをかけた。
アスケロフは第1ラウンドでダウンを奪われ、それ以降、試合終了までサナのプレッシャーとパワーに対抗する術を見いだせなかった。
「試合の時は毎回、決意を持って、準備して臨まないといけない。ジャバルとの戦いも、ヨド(ヨドサンクライ)との試合と同じだった」
「決勝まで進む決意は固かったから、間違いを犯すことはできなかった。この大会に勝ちたかったんだ。ジャバルとの試合でも、(人気アニメ・漫画の「ドラゴンボール」の)スーパーサイヤ人に変身したよ」
「最初にぶつかり合った時に、相手が撤退の姿勢に入っているのを感じた。この戦争のような闘いを受け入れられなかったのだろう。とても早い段階で、自分が勝つとわかっていた。決して油断はしなかったし、3ラウンドを戦い続ける決意も堅かった。そうやって、確実な勝利を収めたんだ」
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サナは、2人の対戦相手を倒してきた今、5度キックボクシング世界チャンピオンに輝いた史上最強といわれる相手と戦う準備ができている。
サナはペトロシアンの強さを認めているが、10月13日に王者となるのは自分だと信じているという。
「ジョルジオ・ペトロシアンは偉大な世界王者だ。最強のキックボクサーだし、彼のこれまでの功績には心からの尊敬を感じている。素晴らしいキャリアを持つ選手だ。だが、それぞれの”時代”というものがある。そして今は、自分がここに立っている」と、サナは言う。
「それが答えだ。彼の時代は終わった。キャリアも最高潮に登りつめた。そして今、自分が彼と対戦しようとしている」
勝利への確かな自信はあるが、東京での試合は楽な戦いにはならないとサナはわかっている。だが、自分を世界グランプリ決勝まで導いたアプローチが、最後の栄光をつかませてくれるはずだと考える。
「ジョルジオは本当に完成されたボクサーだ。完璧だ。『ザ・ドクター』と呼ばれるくらいなのだから。頭脳を使って戦うタイプの選手だ」と、サナは語る。
「彼は優秀なボクサーで、これまで自分が戦ってきた多くの選手と同じように素晴らしいスキルと才能を持っている。試合の日は最高のコンディションで来てほしい。キックボクシングの歴史に刻まれるほどの最高の試合、本当に美しい『戦争』を繰り広げたいから」
「彼の弱点はプレッシャーを好まないところだと思う。特に、ずっとプレッシャーをかけ続けられることを。自分はまさにジョルジオ(ペトロシアン )の弱点だと感じている」
自分自身や家族の人生をがらりと変えるほどの賞金を懸けた試合を前にすれば、ほとんどの選手はプレッシャーを感じるだろう。だが、サナはその限りではない。
ムエタイとキックボクシングで3度世界王者となったサナは、真の戦士だ。彼の一番の関心は、良い試合をすること、そして自分が最強だと証明することだ。
「お金のことはそんなに話したくはない。100万ドルが何だっていうんだ?自分たちには関係のないことだ。自分の仕事はボクシングをすること。賞金がいくらでも何も変わらない。自分は勝つためにここにいる。このグランプリに参戦するために」と、サナは言う。
「この大会の重要性は、世界最強になれるということだ。世界のトップ8のストライカーの1人として選ばれたんだ。だから、今こそ、世界最強にならなくては」