【2/5大会】佐藤将光、アンドラージ戦「アグレッシブな良い試合に」

Shoko Sato defeats Kwon Won Il ONE FIRE FURY DC DUX_1619

佐藤将光はONEチャンピオンシップで驚異的な活躍をしてきた。ここでもう一勝挙げれば、世界タイトル挑戦の機会も訪れるかもしれない。

バンタム級総合格闘技2位コンテンダーの佐藤は、ONEデビュー戦を一本勝ちで飾ったファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)と対戦。試合は、2月5日(金)の「ONE: UNBREAKABLE III」(シンガポール・インドア・スタジアムで事前収録)で配信される。

試合前の佐藤に、近況やアンドラージ戦の戦略について語ってもらった。

ONEチャンピオンシップ: 最近総合格闘技のスキル面に関して変化はあったか?

佐藤将光: 組みが伸びているかなと思う。逆に打撃よりも、組み寄りになってきたと思う。

自分からよく組むようになってきた。昔は打撃ばっかりやってきたが、今は組んだら、自分も組んでいって、テイクダウンをとって。組みが伸びたからこうなったのかはわからないが、そういう傾向にある。

ずっと(組み技に)取り組んでいたが、たまたまそういう(成長を実感した)時期だったのかと思う。

ONE: 今回の相手アンドラージの印象は?

佐藤: 試合(「ONE:NO SURRENDER」でのマーク・フェアテックス・アベラルド戦)を見ていた。アベラルドは僕が(ONEの)初戦でやった相手だったので気にしていた。

アベラルドは近い距離で打ち合うし、タフなので、ぐしゃぐしゃっとした打撃の中で打ち合いをやってポイントをとっていく。あとは、相手をそこでカットしたりするのが得意。肘などを思い切り振ってくる。

でも(アンドラージは)、打撃が上手くて、アベラルドの良さを消して、自分の良さだけ見せて勝ったという感じ。打撃が強い選手だな、と思って見ていた。

アベラルドの距離にさせずに自分だけ当てて、かわして当てて、タックル来たのを切って、後ろに回ってチョーク、という試合だった。

South Korea's Kwon Won Il competes against Japan's Shoko Sato

ONE: アンドラージは、打撃が得意とされているが、サブミッションで勝っている。

佐藤: 他の試合も見たが、その時もバック・チョークで勝っていた。基本は打撃で効かせて、相手が嫌になってタックルきたのを切って回ってチョーク、みたいな感じなので、基本は打撃の選手だと思う。

(アンドラージの所属先)「タイガー・ムエタイ」は総合格闘技もできるジムなので、ムエタイだけではなく、組み技や寝技もちゃんとやっているだろう。

ONE: アンドラージの強みは何だと思うか

佐藤: 強みは打撃だが、モーションが小さい。かと思うと振ってくる時は思いっきり降ってくるので、読みづらいというか。どういう攻撃をしてくるのかが読みづらい。

それから、ムエタイのベースがあるので、組んだ時に首試合の攻防ができる。だから(立った状態でケージ際に)押し込んだ時やリング中央でも、あまりいいポジションを取らせてくれないのかな、と作戦を考えている時に思った。

あと、ムエタイの選手はバランスがいい。ムエタイではキャッチしてから攻撃ができるので、切り方やバランスの取り方を知っているので、それが嫌だ。肘やヒザも持っているし。

ONE: 逆に弱点は?

佐藤: 総合格闘技では寝技はすぐにできるものでもないので、総合的なスクランブルで倒したり立ったり、寝技をする中で、そういうのに対応できないのではと思う。試合の映像があまり手に入らず、よくわからないが、そういう予測を立てている。



ONE: 最近積極的に組むようになっていたと言っていたが、そこで勝負する予定か?

佐藤: もちろん打撃でも戦うが、僕はずっと総合格闘技をやってきたので、総合格闘技をやって、組みだけではなく、組みをフェイントに使って打撃を当てたり、その逆もできたり。

あとは押し込んだところでの打撃や、倒してからの打撃、立つ時の打撃。そういった半端なポジションでの削りは僕の方が持っているのではと思うので、そういうところが強みだと思う。

いつも(打撃と組み技を)混ぜて戦うように意識している。そこで、相手より強いところや相手が嫌なところを狙って仕掛けていく。

ONE: どういう試合になると思うか?

佐藤: スクランブルでぐちゃぐちゃになって、立ったり寝たりという試合になると思うが、相手が僕の組みや、組みからの打撃をさばいて当ててくるようだと、相手の試合になるかと思う。

ONE: そうならないように、立てている対策は?

佐藤: いろんな引き出しを用意している。こうなった時はこうしようか、という作戦は立てている。

Shoko Sato defeats Rafael Silva at ONE CENTURY DUX_0645.jpg

ONE: 試合の見どころは何だと思うか?

佐藤: 相手もフィニッシュが多い選手だと思うので、見た感じでは、バチバチに打ってくる、プレッシャーをかけてくるタイプ。僕も相手を仕留めにプレッシャーをかけにいくタイプだと思うので、そこはアグレッシブな良い試合になるのではないかと思う。消極的な試合にはならないと思う。

あとは、僕がああいう相手にどういうプランで、どういう戦いをやっていくかというのを見てもらえたら嬉しい。

ONE: 今度勝てばキャリア通算36勝目。次はタイトル戦もあるのではと思うが、意識はするか。

佐藤: 僕が決めることではないので、自分で決められないことは考えても仕方がないと思う。今、自分ができることにやっていくことに集中するようにしている。一戦一戦大事にやっていけば、そういう機会も来るだろうと思ってやっている。

ONE: 今回の試合を受けて、Twitterを更新していた。「どんな状況でもやりたいと思うことやるべきことやり続ける 人生一度 やりたいことできるなんて贅沢ですね」と記していた。

佐藤: みんな、自分が思うように生きられないというか。生きづらいこともある。

パンデミックのせいでもあるし、時代もあるのかな。人がやることに対して色々言う人が多いので、余計やりにくいかな、というのがあるかと思う。だが試合でもそうだが、誰に何を言われようと自分の人生だし、最後は自分で決めないと、責任のある生き方ができないと思う。

自分が思うように生きたり、やりたいことをやっていけたりできたらいいのかなと思って。それって幸せなことだと思うから、そういうツイートをしたんだと思う。

ただ、思いやりを持った上で。自分と人の価値観は違うわけだし、ぶつかることもあるので、相手の意見も聞く余裕を持って生きていけば、幸せな世界になるのではないかと、勝手に思っている。

ONE: こうした状況の中で伝えたいメッセージは?

佐藤: 格闘技と人生は通じるものがあるので、僕は、格闘技で学んだことを伝えたいんだと思う。

格闘技を見るのが好きな人は僕の試合を見て、気分転換をしてもらえればいいと思う。

また、みんな生きていく上で、人生で自分を支えるものがあると思う。僕の場合は格闘技や、音楽を聞いたり、お酒を飲んだりだが。

(コロナ禍で)ただ部屋にいるだけというのを経験して、より強く、これがやりたいとか、これが好きだ、と思うようになったことを、これをきっかけに、もっとやっていってほしい。

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