【10/1大会】コーチの父、子育て中のアンジェラ・リーは「ずっと強くなった」
弟クリスチャン、一番下の妹のビクトリアと共にONEチャンピオンシップのMMAで活躍するアンジェラ・リー(シンガポール)は昨年、第1子となる娘のエイバ・マリアを出産した。その瞬間はリーきょうだいの父親、ケン・リーにとっても素晴らしいものとなった。
ケンは現在、10月1日 (土)の「ONE Fight Night 2」のメインイベントに向けて準備を進めるアンジェラを手伝っている。
米国のゴールデンタイムでも生配信される大舞台で行われる今回の試合では、現アトム級女王のアンジェラは、ストロー級女王のション・ジンナン(中国)の有するタイトルに挑戦する。ションとの世界タイトルマッチは3戦目だ。
この試合は、アンジェラのキャリアにとって最大の試練となるかもしれない。そしてケンは単に26歳の娘が、出産を経て一人の人間として花開くのを見るのを楽しみにしている。
ケンはアンジェラについてONEチャンピオンシップにこう話している。
「キャリアに影響があったかはわからないが、人間としては影響を受けている。若い女の子から、若くて愛情深い母親へと成長したし、それに伴うメリットや特徴も備わった。より親らしくなった。もちろん、子供のことを第一に考えなければならない」
2021年4月に生まれたエイバ・マリアが、アンジェラの人生で最も大切な存在になったのは間違いない。
アンジェラは出産前後の長期休養を経て、今年3月の「ONE X」での待望の復帰戦へ備え、母親業と格闘技を両立させてきた。
娘は米ハワイのジム「ユナイテッドMMA」でのトレーニングにも、「ONE X」のアトム級1位コンテンダーのスタンプ・フェアテックス(タイ)戦が行われたシンガポールにも連れて行った。
簡単なことではなかったが、アンジェラはMMAスキルを調整しながら、スタンプ戦へのゲームプランを完成させ、娘の世話をしながら、水分量と計量テストをパスした。
父親でありコーチであるケンは、その絶妙なバランスを目の当たりにし、特殊な環境で手強い相手を倒してベルトの防衛に成功したアンジェラを褒め称えている。
ケンはこう話している。
「ファイト・キャンプの準備だけでも大変なのに、トレーニングの合間に授乳して、マットに戻って、赤ちゃんが泣いているのに集中しようとして、さらに試合場所に子供を連れて行くなんて。体重を管理して集中力を保つだけじゃなく、彼女(アンジェラ)は子供の世話をしないといけないんだ」
「対戦相手は、ただ試合と練習に集中すればよかった。一方で彼女(アンジェラ)は夜中の3時に起きて授乳して、その後また起きて練習するんだ。だから間違いなく人間的に大きく成長した。ずっと強くなったし、彼女のことはとても誇りに思っている」
ションは「アンジェラにとって最高の対戦相手」
アンジェラ・リーとション・ジンナンは、間違いなくONEチャンピオンシップ史上最高の女子MMAファイターだ。2人はこれまで対戦成績を1勝1敗としている。
ケン・リーは、アンジェラの準備は、先月行われたオク・レユン(韓国)とのONEライト級世界タイトルマッチに向けて長男のクリスチャン・リーがやったことと似ていると考えている。
ケンはこう付け加えた。
「ション戦への準備はオク戦の場合と同じで、ション戦に向けて2つのキャンプを行った。もう10ラウンドも(アンジェラと)戦っているので、ションのことはよくわかっている。戦いぶりもよくわかっている。同時にションも(アンジェラのことを)よく知っている。だから、アンジェラにとって最高の対戦相手だと思う」