【3/23 日本大会】野杁正明、“サムライ魂”でタワンチャイ撃破なるか「武尊と揃って勝つことが最高」

日本を代表するキックボクサー、野杁正明は世界最強と名高い相手に自身の“サムライ魂”を見せる覚悟ができている。
3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催される「ONE 172:武尊 vs. ロッタン」のONEフェザー級キックボクシング暫定世界王座決定戦で、元K-1王者の野杁正明(日本)はタワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)と対戦する。
元K-1 WGP2階級制覇王者の野杁は過去10年間、日本トップのキックボクサーの一人。キャリア63戦で数々の激闘を経験し、多くの強豪海外勢と凌ぎを削ってきた。
世界最高峰の舞台、ONEチャンピオンシップを主戦場とした野杁。これからの活躍が多い期待されるが、これまでの国際戦の経験を通して、日本人ファイターと海外ファイターに大きな違いがあることを指摘。それは日本人が持つ独特なメンタリティ、特に敗北に対する考えがあると語った。
「ONE参戦して思った事は外国人選手は負けても凄いケロっとしてる。僕も含めて日本人選手は負けたら本当に終わりみたいな感じだけど、外国人選手は逆にテンション高く控え室に帰ってくる。その違いをすごい感じる。武士道じゃないが、多分、日本人はその絶対負けられない気持ちは強いと思う。」
野杁が大切にしているマインドは武士道精。これは幼少期の頃から彼の心に深く刻まれている。
生涯を通じて武道家である野杁は、少年時代に空手を始めた頃からこうした戦士としての美徳を学んだ。彼がキャリアを通じて示してきた、後退も降伏もしない精神はその教育の証である。
「僕は格闘技を空手から始めたので、押忍の精神を子供の頃から教えられて。例えば試合で言うと、意識がなくなるので顔で倒れるのは仕方ないが、ボディやローで倒れるのは、結局気持ちで倒れてるじゃないですか。意識があるので。」
「だから僕はこの先どんなことがあっても腹と脚では倒れないと決めている。そういう気持ちが武士道に繋がると思う。」
しかし、野杁が今回王座を争う相手タワンチャイはONE11戦で負けたのは強豪シッティチャイにスプリット判定で敗れた1度だけ。前戦でライバルのスーパーボンにKO勝利を収めるなど、無敵の強さを誇っている。
野杁は国際戦において、海外ファイターは戦いによりフィジカル的要素を持ち込む傾向があるが、これに対し日本人はマインドセットと技術面で優位に立つことを考えるという。
果たしてタワンチャイ戦では、その優位性を見せることはできるか。
「良くも悪くもあるが、外国人選手特有と言えば、やはりフィジカルの強さがあると思う。日本人選手にはない体幹の強さやフィジカルの強さを彼らは持っている。」
「技術の多さというか、細かなテクニックは日本人の方が優れてると思っている。」
日本大会、“ライバル”海人の試合を注目する野杁
3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催される「ONE 172」は国内外のスーパースターが勢揃いするビッグイベント。野杁vsタワンチャイを含め、5つの世界タイトル戦が用意されている。
日本vs世界のテーマがある本大会、野杁は日本勢の活躍を大いに期待しているが、ONE初参戦となる“ライバル”海人のマラット・グレゴリアン戦を特に注目しているという。
「もちろん、日本人選手全員に勝って欲しい気持ちはある。でも、どの試合も全部自分の試合と比べられると思っている。」
「同じ階級の海人くんとグレゴリアン選手の試合は、試合内容も比べられると思う。日本人は全員、日本チームとして仲間ですが、全員がライバルだとも思っている。」
現在、team Vasileusに所属しONEチャンピオンシップで世界の頂点を目指す野杁。今大会、勿論、自身の戦いに全集中しているが、大切なチームメイト武尊の試合にも意識を向けている。
武尊はメインでロッタン・ジットムアンノンとの待ち望んだ戦いに挑む。
「僕は武尊くんと2人揃って勝てればいい。ONEの日本人選手として、2人揃って勝つことが最高だと思っている。」