【8/28大会】スタンプ「母国タイでムエタイ戦、負けられない」
ONEアトム級ムエタイ世界チャンピオンのスタンプ・フェアテックス(タイ)は、目前に迫った大仕事の意味をよく知っている。
8月28日(金)、同階級の世界チャンピオンであるスタンプは、タイ・バンコクで開かれる「ONE: A NEW BREED 」のメインイベントで、アリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル)の挑戦を受ける。
スタンプは、ホーム・タイで約7千万人の国民の期待を受け、そしてそれに応えたいと望んでいる。
「この試合はとても重要だ。なぜなら、ムエタイのベルトがかかっているし、ムエタイはタイの人々のものだから。そして試合は自分たちのホームで行われる。負けるわけにはいかない」
「ホームでの試合だし、ムエタイなので、プレッシャーを感じる」
スタンプは、キックボクシングとムエタイで63勝16敗5分の戦績を有する22歳。
一方のロドリゲスも22歳。ブラジルで活躍した後、2018年にタイに移り、技術を磨き続け、試合経験を積んだ。「プーケット・ファイト・クラブ」所属で、戦績は30勝5敗。アユタヤ・ミラクル・チャンピオンシップで勝っている。
金曜日の試合を前に、スタンプはロドリゲスのプレッシャーをかける試合スタイルを研究している。動画を見た後、感銘を受けた様子だ。
「アグレッシブなファイターだ。フットワークもいいし、キックの流れもいい。左キックをした後、右キックですぐに追撃する。足もスタンスもしっかりしている」
「(彼女の一番の危険な武器は)おそらく、急にくるから、エルボーだろう。エルボーの攻撃は急にどこからともなく繰り出してくるから気をつけないといけない」
「動いている時に、急にエルボーを使ってくる。彼女は自分のリズムを掴んで、急にエルボーを放ってくる。だから、それに気をつけて、意識を保たないといけない」
一方、スタンプはボクシング技術を駆使しようとしている。総合格闘技用の4オンスグローブは、どんな打撃もより強烈なものに変えてくれるだろう。
「自分の有利な点は、おそらくパンチだろう。より正確だ」と、スタンプは言う。
「自分のパンチの方が彼女よりわずかに正確で、少し早い」
「試合を早く終わらせられれば、そうする。でもそれができなかったら、ラウンドを取りに行く。すごくトレーニングしたから、パンチを使っていく予定」
このパンチの技術と、その他の一級の技術、そしてカリスマにより、スタンプはスーパースターになったのだ。
これらの才能を駆使して2018年10月にONEアトム級キックボクシング世界タイトルを、そして2019年2月には初代ONEアトム級ムエタイ世界タイトルを獲得した。
こうしてスタンプは2競技でONE世界チャンピオンに輝いた初の女性アスリートになったのだ。
今年始めにキックボクシングのベルトは失ってしまったが、スタンプはムエタイのベルトは死守すると決めており、キックボクシングのタイトルも取り戻し、そしていつかはアンジェラ・リー(シンガポール)が有する総合格闘技のONE女子アトム級世界タイトルに挑戦したいと考えている。
こうした多くの重圧に耐えながらも、スタンプはタイの人々の期待を受けて、モチベーションが高まると言う。応援してくれる人々から力をもらう。そのため、がっかりさせたくはない。
「トレーニングは全力だ。世界チャンピオンであり続けるためにベストを尽くす」