スタンプ「平田樹やフォガットとの対戦準備はできている」
タイのスター、スタンプ・フェアテックスはONEチャンピオンシップの舞台で再び試合をする日を心待ちにしているが、その際達成したいことのリストを用意している。
現ONEアトム級ムエタイ世界チャンピオンのスタンプは現在、タイで新型コロナウイルスの感染拡大防止のためのロックダウン(都市封鎖)が発令されて以来、中部のラヨーン県で家族と共に過ごしている。
この期間中、スタンプは交際中のONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのロッタン・ジットムアンノンとトレーニングを共にし、次のプランを練ってきた。
最初にやりたいことは、長年にわたるライバルのONEアトム級キックボクシング世界チャンピオンのジャネット・トッド(米国)とのラバーマッチで、2月に失ったキックボクシングのタイトルを取り戻すこと。そして、格闘技の歴史を塗り替えるための歩みを続けたいと考えている。
「通常のトレーニングを再開して、リングに戻って世界タイトルを(トッドから)取り戻したい」と、22歳のスタンプは以前語っている。
「総合格闘技での夢も追いかけたい。まだ3種目で世界チャンピオンを目指している」
一方で、ONEのケージ「サークル」で、ムエタイの女王・スタンプを相手に、グラップリングのスキルを試したい総合格闘技の選手も複数存在する。
レスリングのスター、リトゥ・フォガット(インド)と、柔道をバックボーンとする平田樹だ。両者ともスタンプとの対戦を望むコメントを出している。スタンプもその意思を受け止めたようだ。
「リトゥ(フォガット)とは前に会ったことがある。同じイベントに参加した。彼女は背が低いが、自分よりデカい。違った体型だ」と、スタンプは言う。
「イツキ(平田)は寝技がうまい。石毛里佳(タイ)にも勝っているし。でもそれはリカ(石毛)が小さかったからだ。イツキは総合格闘地でリトゥよりも経験がある。イツキと自分の試合になれば、すごく嬉しい。だって、自分たちは両方とも全力を尽くすだろうから」
フォガット戦も平田戦も、総合格闘技で4勝0敗の戦績を誇るスタンプにとって魅力的だ。そして、両方の対戦相手がそれぞれ同じグラップリングではあっても、スタンプにとって違った脅威となりうる。
身長156センチのフォガットは、この3人の中で一番小さく、総合格闘技の経験が浅い。だが、シンガポールのメガジム「Evolve」で技術を磨くフォガットは、コモンウェルスレスリング選手権の金メダリストであり、これまでにプロ総合格闘技で2勝0敗としている。
平田も総合格闘技はプロ7勝無敗。若き日本のスターは、柔道黒帯3段の腕前であり、打撃のパワーも併せ持つ。さらに、「サークル」での試合は全てフィニッシュ勝ちを決めている。
最終的にONEアトム級世界チャンピオンのアンジェラ・リー(シンガポール)に挑むためには、スタンプはもっと自身のグラウンドでのスキルを磨かなければならないと自覚している。
だが、スタンプはフォガットと平田との対戦準備は整っており、両者の無敗記録をストップさせることができると自信を見せる。
「(リーに挑戦するには)まだ寝技の技術が足りないとわかっている」と、スタンプは認める。「リトゥやイツキなら対戦できる。全然問題はない」
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