一本勝ちVスタンプ「リーのベルトをもらいにいく」
世界中のファンを驚かせる勝利を挙げたスタンプ・フェアテックス(タイ)は、ONE史上初の3競技世界チャンピオンになるまであと1勝とした。
元ONE女子アトム級キックボクシング・ムエタイ世界チャンピオンのスタンプは、12月3日(金)にシンガポールで開催された「ONE: WINTER WARRIORS」でリトゥ・フォガット(インド)に一本勝ち。ONE女子アトム級世界グランプリの頂点に立った。
この歴史的な総合格闘技トーナメントを制したスタンプは、2022年にアンジェラ・リー(シンガポール)の有するONEアトム級世界タイトルに挑戦する権利を得た。
まだMMAの世界タイトルマッチの経験はないが、スタンプはグランプリの銀色のベルトを獲得し、ONEで3競技でタイトルを獲得した唯一の選手となった。
決勝戦の前からスタンプはトーナメント自信に満ち溢れていたが、実際にインドのレスリングチャンピオンを相手に一本勝ちという結果を手にして驚いているようでもある。
「とても幸せな気分。ムエタイ出身だけれども、このベルトはMMAでも正しい道を歩んでいると証明してくれた」と、スタンプは語る。
もちろん、試合結果に驚いたのはスタンプ自身だけではない。ほとんどの識者は、フォガットがグラウンド戦では有利だと考えていたが、今やスタンプは完全な総合格闘家であることを証明してみせた。
スタンプは、テイクダウンを試みるフォガットをかわし、打撃でカウンター。マットに引き摺り込まれても攻撃的に立ち上がり、背後から攻撃に出た。
第2ラウンド、シングルレッグ・テイクダウンをされたものの、すぐさまトライアングル・チョークを仕掛けた。フォガットは耐えたが、その後スタンプはアームバーに切り替え、見事なフィニッシュを決めた。
「正直、一本勝ちできるとは思わなかった」とスタンプは認める。「当初のプランは、立って打撃をすること、ゲームプランを即興で適応させることだった」
その即興のプランは奏功した。スタンプは見事にフォガットからタップアウトを引き出した。だが、最初はそれが本当かどうかわからなかったという。
「トライアングルをして、彼女の頭を引き下げようとしたけれども、避けられた。彼女はとてもタフだから」
「彼女は横に動いて呼吸をしようとしていたが、その姿勢から逃げられてしまった。だからアームバーになった」
「最初は小さなタップだったので、自信がなかった。だから、アームバーをキープして、レフェリーが止めるのを待った。ストップがかかったときは、とても嬉しかった。リトゥ(フォガット)をアームバーでタップアウトさせるなんて思ってなかったから」
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エリート級のレスラーを倒し、世界グランプリで優勝したスタンプは、来年アトム級の現女王がONEのケージ「サークル」に復帰した際に対戦することになる。
スタンプは長年世界チャンピオンに君臨してきたリーについて「尊敬するファイター」と話し、対戦を心待ちにしている。しかし、タイトルをかけての戦いとあれど、気後れすることはない。
「憧れのアスリートと戦えるなんて最高の機会だし、彼女と向かい合って立つのが夢だった」
「試合が決まったら、ジムに戻って、練習して、技術をもっと向上させないといけない。より良いコンディションをつくるため、さらにトレーニングしないといけない」
24歳のスタンプはここまでの道のりを支えてきた謙虚さと勤勉さ持ち続けながら、さらなる高みを目指すチャンスもある。
「自分がトップファイターだとか、ベストだとかは言わない。今後、格闘家として成長するため、まだまだ向上できる点はたくさんある」
スタンプは敬意を表しつつ世界タイトル戦に向けての心構えを語った。
「アンジェラ(リー)、この試合のために一生懸命練習して、良いトレーニングキャンプをしてほしい。だって、自分はとってもフレッシュで、戦う準備ができているから」
「そのベルトをもらいにいくつもり」
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