【2/5大会】3つ目のベルトを狙うスタンプ「この試合で実力証明」
23歳のスタンプ・フェアテックス(タイ)は苦しかった昨年を断ち切り、「ONE: UNBREAKABLE III」で再スタートを切ろうとしている。
元ONEアトム級キック特シングとムエタイの世界チャンピオンのスタンプの2021年の初戦は2月5日(金)、シンガポール・インドア・スタジアムで事前収録された総合格闘技マッチ。相手はアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)だ。
スタンプにとって、2020年の苦い思い出を拭い、ONEの舞台で格闘家としての力を改めて示すチャンスだ。
「昨年はハードな時間だった。キックボクシングとムエタイのチャンピオンベルトを失い、心を痛めた」と、スタンプは明かす。
「これらの出来事を経て、今年をより良い年にするための励みになった。もっと自分のやるべきことに集中して、やる気を高めないと」
「失った物を後悔しているが、トレーニングに集中できなかった結果。集中力を失い、自己管理がなっていなかった。一言でまとめると、自分は悪い子だった」
スタンプは無名のアスリートから、世界最大の格闘技団体であっという間に成功した。
2018年10月にONEデビュー、チュアン・カイ・チンに勝ってONEアトム級キックボクシング世界チャンピオンの座に就いた。その4ヶ月後、ジャネット・トッド(米国)に勝ってムエタイの初代タイトルを手にし、2競技世界チャンピオンに。
急激な変化は、タイ・ラヨーン県出身の物静かな少女にとっては受け入れがたかったのかもしれない。
「ONEチャンピオンシップに入って、人生と運命は良い方向に変わった」
「それは一夜で起こった。無名だった自分が有名になり、メディアのスポットライトを浴びて、みんなに知ってもらえたから」
「重圧があったし、質問にどう答えるか緊張していた。表情はどうかな?とか。こういうことは今まで経験したことがなかった」
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ONEスーパーシリーズをリードする女性ストライカーとしての地位を確立したのと同時期、ONEの登竜門大会「ONEウォリアーシリーズ」から総合格闘技への挑戦も始めた。
しかし、新しい人間関係、3つの競技、突然の名声……。スタンプはすべて維持しようと頑張ったが、叶わなかったものもある。
昨年、スタンプはONEアトム級キックボクシングのタイトルをトッドとのリマッチで失い、ムエタイのタイトルをアリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル)に奪い取られた。だが、総合格闘技では2勝し、戦績を5勝0敗とした。
そして年が明けた今、多少ためらいつつも、スタンプはラソヒナ戦に向け、モチベーションを高めているようだ。
「5ヶ月間試合がなかったので、重圧がある。蹴ったり、パンチしたり、何にしても、ゆっくりなのが怖いけれど、また戦うのが楽しみ」
対戦相手のラソヒナはグラップリングのスペシャリストで、これまでの12勝のうち10勝をサブミッションで挙げている。
「対戦相手は、柔道ガールで、経験豊富なファイターだと思う。柔道が彼女の最高の武器だろう」とスタンプは話す。
「テイクダウンされないために、相手との距離を保つ技術を楽しんで学んでいる。技術を学ぶのは難しくない。レスリングは好きだし、楽しくできる技がたくさんある」
あらゆる練習を楽しんでいるスタンプだが、総合格闘技で勝ち星を挙げる近道は、その一級の打撃の技術を使うことだろう。もちろん、この金曜日はその予定だという。
「ヒジはが自分の最強の武器だと思う。かなり衝撃を与えることができる。そして、キック、パンチ、ローキックといったムエタイに関するもの」
「KOするチャンスがあれば、狙っていく。自分が持っているすべてを出し切る。説得力のある試合にしたい。みんなの記憶を塗り替えたい」
スタンプが大勝利を挙げてアピールしたい理由は、階級でより目立つチャンスになるとわかっているからだ。ONEアトム級世界グランプリの出場権だって舞い込むかもしれない。
5位コンテンダーのスタンプは、3つ目の競技で世界タイトルを目指しつつ、かつてのタイトルも取り戻すつもりだ。
「アトム級のトーナメントに参加したい。そこから、3つ目のチャンピオンベルトをつかみたいと思っている」
「世界チャンピオンベルトをつかみ取る力、そして失った2つのベルトを取り戻す力があると、この試合で証明したい。今年は自分がどこまでやれるかを自分自身に証明したい。必ず戻ってきて、試合にだけ集中すると約束します!」