【2/26大会】スーパーレック「エナッシからベルトを奪いに行く」
ムエタイで驚異的な成功を収めてきたスーパーレック・キアトモー9(タイ)は、キックボクシングへの挑戦でもこれまで以上にモチベーションを高めている。
2位コンテンダーのスーパーレックは昨年9月、キックボクシングでのデビュー戦で印象的な勝利を収め、2月26日(金)の「ONE: FISTS OF FURY」でイリアス・エナッシ(オランダ / モロッコ)の持つONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑戦する機会を得た。
2度ルンピニー・スタジアムでムエタイ世界王者になったスーパーレックは、決意を新たにシンガポール・インドア・スタジアムでの試合に臨むと話している。
「ONEチャンピオンシップでキックボクシングから新しいことを学び、自分自身を向上させたいと思っている。スピードや技術を磨くのに役立っている」
この2つの競技には共通点も多いが、違いもある。そのため、ムエタイに秀でているからといって、キックボクシングでも成功が収められるとは限らない。
だが、この競技での経験が豊富な世界チャンピオンと戦うため、スーパーレックはキックボクシングを慎重に研究してきた。
「自分のファイティング・スタイルを適応させる必要がある。キックボクシングはパンチとスコアリングに焦点を当てている。スコアを獲得する唯一の方法は、ターゲットを打つことだ」
「キックボクシングのトレーニングでは、スピードを重視し、キックボクシングのルールを守り、ターゲットを打つチャンスを増やすためにコンビネーションを出すようにしている」
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ムエタイからキックボクシングへと見事に転向したアスリートの例は、カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)だ。
カピタンは記録的な6秒ノックアウト勝利でキックボクシングにデビュー。続いて今年1月、アラヴァディ・ラマザノフ (ロシア)を倒してONEバンタム級キックボクシング世界王者になった。
スーパーレックも2競技目での成功を夢見て、同胞のカピタンにそのヒントを求めている。
「カピタンを見たが、祝福したい。勝利を見れて嬉しい」
「彼を世界チャンピオンにしたスタイルを研究して、自分のスタイルに適応させたいと思う」
スーパーレックの対戦相手、ONEスーパーシリーズのフライ級の頂点に君臨する王者・エナッシは驚異的な活躍を見せている。
エナッシは2019年8月にペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)を電撃的KOで倒してONEデビューと同時にタイトルを獲得。数ヶ月後には、ワン・ウェンフェン(中国)に勝って初防衛を果たした。
エナッシは警戒するべき武器を有しているが、スーパーレックはそれに対する対策も練っている。
「彼はタフだ。彼は俊敏でスピードもあり、キックボクシングの経験も豊富で、危険なヘッドキックとパンチも持っている」
「(しかしエナッシの弱点は)パワーだろう。試合終了時には、試合開始時のようなパワーを保てておらず、疲れ切っているだろう」
スーパーレックはキャリアのほとんどで、ムエタイのルールで5ラウンドを戦った経験を持つ、疲れを知らない戦士だ。そのため、試合のペースを保つのは問題にはならないはずだ。
スーパーレックは自身の格闘技の経験と、細部へのこだわりが良い結果をもたらすと信じている。
「準備では、常に一つ一つの動きを研究している」
「自分の強みはムエタイの経験とフットワークだ。相手を嫌がらせて、俊敏性を封じてどこにも動けないようにする」
スーパーレックは自身を勝利に導く武器を持っているという自信がある。もし厳しい局面になったら、そのハングリー精神が生きるだろう。
スーパーレックはそのハングリー精神で、タイの農村部の貧困から抜け出している。ONEフライ級キックボクシング世界タイトルを獲得すれば、大きなチャンスを得て、周りの人たちを支えることができるようになる。
「これは最も重要な試合になる。初めてのONE世界タイトル挑戦だ。世界タイトルは自分のジムと家族の名誉のために必要だから実現させたい」
「もし自分が勝って、ロッタン(ジットムアンノン)が(同日の試合で)勝ったら、キックボクシングで対戦できる可能性が高くなる。実現すれば、タイ中の観客にとって最もエキサイティングな試合になるだろう」
「イリアス・エナッシ、お前の手から世界チャンピオンベルトを奪いに行く」
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