【7/15大会】直前オファーの“タイ選手キラー”カリロフ、スーパーレック戦「自信ある」
タギール・カリロフ(ロシア)は、ムエタイ界のビッグネームと対戦するのは初めてではない。それでも、今回の試合はこれまでの格闘技キャリアのなかで、最大級の試練になるかもしれない。
7月15日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる「ONE Fight Night 12: Superlek vs. Khalilov」では、カリロフの当初の対戦相手はエリアス・マムーディ(アルジェリア)だった。しかし、大会内容の変更に伴い、スーパーレック・キアトモー9(タイ)とのフライ級ムエタイマッチに臨むことになった。
スーパーレックはONEフライ級キックボクシング世界チャンピオンで、フライ級ムエタイでは1位コンテンダーの世界トップクラスのストライカー。
こうした相手と当たることになったものの、カリロフは動じることはない。
なにしろONEデビュー戦は、試合直前オファーを受けてのロッタン・ジットムアンノン(タイ)とのキックボクシングマッチだったのだ。
さらに、スーパーレック戦はキャリアに箔(はく)を付け、世界タイトル挑戦者になるための好機とすら捉えている。
「こういうチャンスは珍しいし、この団体のトップまで上り詰めたいと思っている。ONEチャンピオンシップのベルトが欲しいし、最高の選手になるためには、最高の選手と戦わないといけない」
「チームと話し合って、この試練を受け入れることにした。自分が楽な道を選ぶ人間ではないということはみんな知っている。自分のONEデビュー戦は、1週間前オファーでのロッタン戦だったんだから」
今回も大会まで2週間を切ったところでの対戦相手の変更だったが、昨年もスーパーレックとの対戦の可能性が浮上したこともあり、すでにカリロフは下調べをしていたという。
このため、多少の調整を加えれば、準備が整うと考えているようだ。
「対戦相手が変わっても、トレーニングキャンプには影響はない。多少の調整をしただけだ」
「スーパーレック対策は前に試合が組まれたときにしていた。だから、ゲームプランはすでにある。昔のゲームプランを修正する必要はあるが、あまり手は加えなかった」
「スーパーレックは典型的なタイのファイター」
タギール・カリロフは、ONEフライ級キックボクシング世界チャンピオンでフライ級ムエタイ1位コンテンダーでもあるスーパーレック・キアトモー9との試合では、多数のタイ選手との対戦してきたこれまでの経験が生きると考えている。
スーパーレックが8連勝中と圧倒的な強さを誇る一流の選手ということは認める一方、最近の対戦相手と同じようなタイプでもあると評している。
カリロフはこう説明している。
「スーパーレックは典型的なタイのファイターだ。タイ人と対戦したことは何度もあるから、彼のスタイルに驚くことはない。(元フライ級キックボクシング王者の)エリアス・マムーディと戦うよりも、彼と戦うほうが楽に感じるだろう。マムーディのほうが背が高く、キックボクシングのスタイルだから、もっと難しい対戦相手だったと思う」
「自分の見方では、スーパーレックに勝つには絶対にいいボクシングと、フットワーク、そして何らかのキックボクシングのスタイルが必要だ。彼を惑わし、強力な打撃を放って、パンチのコンビネーションを繰り出す」
カリロフは直近2戦では、 ブラック・パンサーと チョーファー・トー・センティアンノーイという世界クラスのタイ選手を相手に第1ラウンドノックアウトで勝利。ハイレベルな相手に打ち勝つだけのパワーの持ち主だと証明している。
「ONE Fight Night 12」で階級のトップコンテンダーのスーパーレックに勝てば、ロッタン・ジットムアンノンの有する世界タイトル挑戦への道も開けることだろう。このため、カリロフは、直近の試合と同様の最高のパフォーマンスを発揮するつもりでいる。
カリロフはこう付け加えた。
「もし勝てれば“タイ選手キラー”という評判はさらに高まるだろう。世界に衝撃を与える準備はできている」
「スーパーレックを倒せるという自信はある。今がキャリアのピークだし、フィジカルもメンタルもしっかり充電した。勝ちに行く’」
「勝てば、ONEチャンピオンシップのベルトへの最終段階のステップになるだろう。目標は、スーパーレックを倒して、ロッタンと対戦し、ベルトを奪うことだ」