【10/22大会】内藤大樹「勝つのは最低条件、インパクトのある戦い方を」
10月22日(土)の「ONE Fight Night 3: Lineker vs. Andrade」には、日本から内藤大樹(26)が出場する。マレーシア・クアラルンプールのアクシアタ・アリーナで行われるフライ級ムエタイマッチで対するは、アミール・ナセリ(イラン / マレーシア、30)。
内藤は2019年10月、アレクシ・セレピソス (ニュージーランド)を第3ラウンドにKOしてONEチャンピオンシップ本戦デビュー。数多くの強豪と対戦し、ONEでの戦績を5勝2敗としている。
直近の試合は今年5月の「ONE 157」で行われたフライ級ムエタイ世界グランプリ準々決勝で、スーパーレック・キアトモー9(タイ)と対戦し、ユナニマス判定で惜しくも敗れていた。
今回の対戦相手のナセリは、ムエタイとキックボクシング合わせて29勝6敗1分の戦績を有している。アグレッシブな打撃が持ち味で、18年7月には判定で敗れたものの、元WMC世界ライト級王者のセンチャイと対戦。タイ人以外で史上3人目のオムノワスタジアムのチャンピオンになったこともある。
ONEデビュー戦は、内藤も出場したフライ級ムエタイ世界グランプリ準々決勝。サバス・マイケル(キプロス)と対戦したもののユナニマス判定で負けており、ONE初勝利を狙って燃えているに違いない。また、父親の仕事の関係で8歳でイランからマレーシアに移住したナセリは、今回はいわゆる“ホーム”での試合とあって、特別なモチベーションも抱いていることだろう。
再起戦となる試合を前に、内藤がONEチャンピオンシップのインタビューに答えた。
ONEチャンピオンシップ:ムエタイ世界グランプリ以来の出場になるが、どんな気持ちでトレーニングをしてきたか?
内藤大樹:前回、5月にスーパーレックに負けて、ちょうど10月くらいに試合ができれば、と思っていた。ちょっと(期間を)空けたかった理由は、前回の試合で肘打ちを結構やられたという思いがあり、もう一度ムエタイを見つめ直す時間が必要と思っていたためだ。半年くらい空けて試合をしたかったので、今回はちょうど良いタイミングでのオファーだった。
ONE:ムエタイを見つめ直すとは?
内藤:基本的には、(所属先の)「ベルウッドファイトチーム」は田舎の小さなジムで、トレーナーがいないので自分たちで研究しながら練習をしている。だが、もう一回やっぱりムエタイの本場のタイに行って、実際に身体で感じられればと思い、7月に3週間ほど(タイ南部の)プーケットで合宿をしてきた。
ONE:合宿で学んだことは?
内藤:言葉で言い表しづらい部分が多いが、肘打ちのテクニックのある選手や、首相撲が上手い選手と練習をすることで、細かい距離感や、ディフェンスの仕方を学べたと思う。実際に人と組んでみた時のタイミングが一番重要なのかな、と思っている。
ONE:直近の試合、スーパーレック戦を振り返ってほしい
内藤:第1ラウンドは自分のペースかな、と思っていて、行けるなと思っていたところで第2ラウンドにスーパーレックがガラッとプランを変えてきた。あの肘打ちもやっぱり偶然じゃなくて狙って打ってきたと思う。映像を見直してもそう思うし、本当に小さい隙間を狙ってきた。ONEでチャンピオンになるには、そういう細かいレベルまでいかないと、というのを感じた。
ONE:スーパーレック戦で得た教訓は?
内藤:ああいうレベルで戦っていくには、自分ももう一度しっかりムエタイを学び直して、自分自身のレベルを上げる必要があることを再確認できた試合。もちろん勝ちたかったが、スーパーレックという一流のタイの選手と試合をして、得るものは多かった。
いつか自分が肘で相手を切ったり、倒せたりできるくらいのレベルまで持っていければ、また武器がどんどん増えていくと思う。課題を克服するのか、そのままにしておくのか、向き合い方が今後に響いてくると思うので、苦手な部分としっかり向き合っていきたい。
ONE:今回の対戦相手、ナセリについての印象は?
内藤:ONEでは前回のマイケル戦が初戦だったと思うが、やっぱりタフで特に身体の強い選手だと思う。気持ちも強いと思うが、それが理由なのか荒い部分も多いと思う。気持ちでは耐えられないような一撃で倒したいと思う。
ONE:警戒するポイントは?
内藤:パワーがあると思うので、変に相手のペースに乗らないことが大事と思う。向こうは近い距離を好んで入ってくると思うが、自分の距離はそこじゃないと思ってるので、その距離になるにしても、いきなりそこにいかないように注意しようと思う。
相手が近い距離で来ても、うまく受け流していきたい。(ONEのケージ)「サークル」を背負うのは、あまり良くないと思うので、基本的には自分が「サークル」の真ん中にいるイメージでいきたい。
ONE:この試合の見どころを教えてほしい
内藤:圧力を確実にかけてくる相手に、自分がどうその圧力をさばくのか。もしかしたら、その圧力に対して、逆に自分が圧をかけることもあると思うし、その辺の駆け引き、緊張感のある距離が続くと思うので、楽しみにしてほしい。
今回、米国でも(プライムビデオのゴールデンタイムで)配信される大会で、勝つのは最低条件として、その中でインパクトのある戦い方をしないといけないと思っているし、そういう試合をするつもりなので、楽しみにしていてほしい。
ONE:自身の世界タイトル挑戦まで、あとどれくらいだと考えているか
内藤:やっぱり、あと1年以内にはやりたいと思っている。タイミングもあると思うが、今回僕がすごいインパクトのある勝ち方をすれば次のチャレンジャーとして選ばれるのかもしれない。
なので、ある意味今回の試合もタイトル戦のかかった試合だと思っているので、内容にこだわっていきたいと思っている。勝ち方次第だが、内容でふさわしいなと思えば、この次の試合で勝てばタイトル挑戦もアピールしていきたい。もちろんキックボクシングでも同じだ。
ONE:最後にファンへのメッセージを!
内藤:5月に敗れてからの復帰戦ということで、勝つことは最低条件として、その中でもしっかりインパクトを残して勝ちたいと思いますので、日本から応援をよろしくお願いいたします。