【7/15大会】ムスメシの姉、友人のアレキンと対戦「彼女は積極的に攻めてくる」
ブラジリアン柔術の世界チャンピオンに何度も輝いたタンミ・ムスメシ(米国、28)は、終始アグレッシブに攻撃を仕掛けてくる対戦相手との試合に向けて気合を癒れている。
ムスメシは、7月15日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムである「ONE Fight Night 12」で、友人でありかつての対戦相手でもあるアマンダ・アレキン(エクアドル / 米国、28)とストロー級サブミッション・グラップリングマッチで対峙する。
両者は2021年に2度対戦しているが、今回の対戦はその際とはまったく違ったものになるだろう。
試合に向けて最後の準備に入ったムスメシはONE編集部にこう話している。
「自分達はよく一緒に練習していたし、実はとても近しい友人だ。彼女のことは大好き。クールな友人だと思う」
ムスメシが黒帯になったばかりで世界のブラジリアン柔術シーンをすでに席巻していた2014〜16年、アレキンは茶帯で驚異的な才能を発揮しながら急成長を遂げた。この間、両者はスケジュールが合えば、一緒に激しいトレーニングをしていた。
以来、友情を育みながらそれぞれ主要な国際大会で金メダルを獲得し、指折りの柔術家としての地位を確立した。
さらに両者は2021年、エンターテイメント・マッチで2度対戦。ムスメシは両方の試合で判定勝利を収めたが、アレキンの決して諦めない姿勢に対し、大きな尊敬の念を抱いたという。
「彼女の戦い方は、積極的に攻めてくるということ。前に出て攻めてくる。いつもそんな感じで、これが彼女がいい選手である理由だ。勝とうが負けようが、決して止まることはないから、彼女の試合はいつもエキサイティングだ」
何よりもムスメシはアレキンがフィニッシュを狙うために、リスクを冒して悪いポジションを取ることをいとわない姿勢を評価している。
負けを恐れない、というスタイルはムスメシも同様だ。エキサイティングな試合をするためのアプローチと熱心さを共有する2人は絆を深めてきた。
ムスメシはこう説明している。
「だから友達になったんだと思う。自分たちは慢心していないし、落ち着いている。だからすごく気が合ったんだと思う」
アレキンは「テクニカルで素晴らしい選手」
タンミ・ムスメシが、アマンダ・アレキンを尊敬する理由は、サブミッションを狙いに行くエキサイティングなスタイルだけではない。
2年間共にトレーニングをし、合計30分間マットで戦ったうえで、アレキンは特に弱点のない総合力の高いテクニシャンだと気付いたという。
ムスメシはこう語っている。
「彼女はとってもテクニカルだ。素晴らしい選手だ。ガードもパスもうまい。正直に言って、どんな局面でも上手だ」
さらに2021年の2度の対戦を通じて、アレキンがテクニックに加えて重要な身体的才能を有していることも発見したという。
常に謙虚なムスメシは、アレキンへの賛辞を惜しまない。
「彼女がとてもアグレッシブで、かなり柔軟性が高かったことを覚えている。かつては上の階級で戦っていた。今は細くなったけれども、上の階級で戦っていたときと同じように強い。今のこの階級は彼女に合っていると思う」
以前の対戦ではムスメシは、弟のONEフライ級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのマイキーのトレードマークと同様のスキルを使い、アレキンのバックを奪うことに成功した。
ムスメシはキャリアを通じて、ベリンボロやクラブライドなどの複雑なバックを奪うテクニックを駆使。こうして5度のIBJJF世界タイトルを獲得し、米国生まれの史上最高の女子ブラジリアン柔術選手としての地位を確立した。
だが、今なおグラップラーとして進化し続け、レッグロックやさらなるガードパスの技も豊富な引き出しに加えている。
こうしたことを念頭に置きつつ、ムスメシは7月15日はどんな試合になってもいいように準備しているという。
ムスメシはこう話している。
「2021年以降は、よりバックを取る傾向があった。今もバックテイクはするけれども、違ったこともしたい。だから、ゲームプランなんかは、まだない」