【1/10大会】タン・リー「高橋遼伍は忍耐強かった」
タン・リー(ベトナム/米国)は3連続の衝撃的なフィニッシュにより、ONEフェザー級世界王者の挑戦者に最も近い場所に立つことになったかもしれない。
1月10日(金)にタイ・バンコクで開かれた「ONE:A NEW TOMORROW」で、リーは高橋遼伍と対戦。第1ラウンドでノックアウト勝ちし、ONEチャンピオンシップでの戦歴を完璧な3勝0敗とし、フィニッシュ率100%も維持した。
リーは試合の後、ONEフェザー級世界王者のマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)への挑戦は急いでいないと明かした。だがバンコクでのパフォーマンスから数日経ち、リーのトーンは変わった。
「考えれば考えるほど、そう、次だね」
「タイトルに挑戦するまであと2回ほど試合をする必要があるなら、それでも全く問題ない」
「トップの選手や元世界王者たちを相手に、自分はこの階級の他の誰よりも、タイトル戦の挑戦にふさわしいだけのアピールができただろうか?答えはイエスだ」
34歳のリーはそれまでのONEでの2試合で結果を残しており、リラックスしているように見えた。さらに、バンコクの観衆の声援はまるで、ホームで戦っているかのように感じるものだった。
そのことは試合序盤、打撃の応酬によりリーがプランの再考を迫られた時、必要不可欠な要素だった。
「高橋は想定していたよりも忍耐強かった」
「自分がプレッシャーを少しかけ始め、少し前に出ようとしたとき、高橋はグラウンドに持ち込むのを諦め、反撃したり近づいて短い打撃を打とうとしてきた」
「想定とは少し違ったから調整が必要だった。そして相手を引き付けて、自分たちが考えていたような攻撃を仕掛けてくるように仕向けることができた。結果的にはうまくいった」
高橋がキックをキャッチしてテイクダウンを狙いにきた直後、リーの連続フィニッシュへの道が始まった。
リーは強烈な右パンチで高橋をキャンバスに倒すと、飛びかかるように連打を浴びせる。高橋もなんとかすぐに立ち上がり反撃を試みるが、リーの猛攻は止まらない。追い打ちをかけるようにクリーンショットがアゴに決まると、高橋は崩れ落ち、2分51秒の時点でレフェリーが試合を止めたのだった。
リーは次戦でニューイェンに挑戦できるかどうかにかかわらず、ニューイェンの入念な分析を始めるつもりだ。
だがそれは、ONEデビュー以降、トレーニングキャンプ外でやってきたこととあまり変わらないだろう。
「ONE参戦以降、ニューイェンの試合動画を見始めた。でもまだまだたくさんある」
「ここからは核心に迫り、正念場を迎えることになる。全体的なことではなく、細かいことに焦点を当てていくことになるだろう」
現王者のニューイェンを改めて分析したとしても、リーはONEで完璧な記録を保ち続けてきた、これまでのやり方を続けていくつもりだ。
「最近の試合で結果を出せたのは、流れに沿って進み、自分のこと、そしてどうやったら世界最強のファイターになれるかを、真剣に考えているからだ」
「タイトル戦は自分が最強かどうかを表しているわけではない。スキルのレベルと経験に関して言えば、自分がどこに位置しているかは、自分の心の中ではわかっている。なるときになるようになる。その時が来たらものすごくうれしいし、準備は万端に整っているだろう」