【11/12大会】打たれ強さに自信のターニ「手塚裕之のKOパワー歓迎」

Tyler McGuire Agilan Thani ONE BIG BANG II 1920X1280 29

元ONEウェルター級世界タイトル挑戦者のアギラン・ターニ(マレーシア)が、11月12日(金)の「ONE: NEXTGEN II」で、ONEチャンピオンシップのケージ「サークル」に久々に登場する。

対戦相手は、手塚裕之

ターニは、ヘビーな打撃を武器に数々の対戦相手を倒してきた手塚の印象的なパワーを熟知しているが、こうした打撃に対処し、シンガポール・インドア・スタジアムでサプライズを起こせると確信している。

最近のトレーニングキャンプや、対戦相手、ゲームプランなどについて、独占インタビューでターニが語った。


ONEチャンピオンシップ: 対戦相手の手塚裕之についてどのくらい知っているか?

アギラン・ターニ: かなりタフで、ムキムキで、(体型が)キレている。パンチも強いし、ノックアウトパワーがあるのは間違いない。グラウンド戦をしている姿は見たことがないが、おそらくグラップラーのタイプではないんだろう。あんまりそういう戦い方をしているのは見たことがないが、最高のコンディションで戦ってほしいと思う。

ONE: 前回手塚はムラド・ラマザノフ(ロシア)に負けているが、あの試合での手塚のアプローチについてはどう思ったか? 印象に残ったことはあるか?

ターニ: 何度もテイクダウンをされていた。あの試合では長い時間グラウンドに押し付けられていたが、そこは頑張るべきところだと思う。彼はいつもノックアウトや、テイクダウンからのパウンドをしようとするが、パスガードやサブミッションをしたところは見たことがない。

ONE: 手塚の体格と強さについて言及したが、この試合の決め手になるか?

ターニ: 関係ないだろう。今まで戦った選手は、自分と同じくらい強かった。もっと強い相手と戦ったこともあるけれど、なんとか乗り切った。強烈なパンチを喰らったこともある。だから、現時点では強さはあまり関係ない。頭が冴えていること、素早く効率的に考えられるかどうか、という点が重要だ。

これらの点は、試合準備とどのくらい冷静になれるかにかかっている。歳をとれば、より冷静にならないといけない。昔のようにただ突っ込んでいくような戦い方はできない。最近の選手は、より素早くスマートになっている。

American MMA star Tyler McGuire fights Malaysian sensation Agilan Thani at ONE: BIG BANG II in December 2020

ONE: 今回の試合に向けてどのように準備をしてきたか?

ターニ: 昔に比べてトレーニングはハードになったけれども、慣れた。「モナーキーMMA」をやめて2年になるが、ヘッドコーチは今もコンラッド・ファーランだし、オズワルドというブラジリアン柔術の黒帯の先生とも練習している。

トレーニング・キャンプは、インストラクターとして働いているクアラルンプールの「ブループリント・マーシャルアーツ」と、「ノース・キアラMMA」で行っている。マレーシアのMMAコミュニティには、競技や試合をする男子は、もうあまりいないけれど、ありがたいことに、スッバ兄弟のような昔ながらの選手がまだいて、うち1人(ONEチャンピオンシップのアスリートのケアヌ)は、今でも自分と練習しているよ。

ONE: どのような分野に力を入れているか?

ターニ: 「ノース・キアラ」では、グラウンドコントロールにかなり注力している。相手をテイクダウンして、押さえ込むだけじゃなく、よりダメージを与えられるように長い時間楽に保てるポジションを取るようにしている。ブルーノ(「モナーキーMMA」のブラジリアン柔術ヘッドコーチ)と組んでいた時は、単なる「サブミッション狙い」的な感じだった。でも、今はそれを変えたんだ。

「ブループリント」では、セットアップ、打撃、テイクダウンに取り組んでいる。コンラッドも同じような感じだ。コンラッドと別にトレーニングするのは、フットワークだけ。長い間、世界レベルのストライカーになろうとしてきたが、今ではフットワークを使ってストライクをセットアップしなければならないと気づいた。そうしたら、自分の打撃がより効果的に使えるようになって、もっと自信を持って勝とうとできるようになったよ。

ONE: この2年間のマレーシアでのロックダウンは、多くの格闘家にとって厳しいものだったが、どうしていたか?

ターニ: ロックダウンが行われても、トレーニングはできた。家でやったり、友達の家でやったり。結局、やるべきことをやるしかない。毎日トレーニングしないと、試合に出るには不向きな状態になってしまうから。




ONE: 最近の6試合で4敗しているので、心配する声もある。これについてはどう思うか?

ターニ: 一時は、「ああ、もうダメだ。自分のキャリアは終わった」と思ったこともあった。でもこれもキャリアの一部だし、我慢しなければいけないと思っている。多分1度か2度の負けで済む人もいるかも知れない。多分、自分はあと2、3敗しないとピークに達せないのかもしれない。

ハビブ(・ヌルマゴメドフ)でもなければ、ハードルを乗り越えずにトップに立てるアスリートなんていない。これは自分のハードルだ。これを通して学んでいるんだ。100パーセント勝つ自信があるとは言わない。でも、戦い方はわかっているし、ちゃんとやれるってわかっている。今のところは、トレーニングに集中して、自分がコントロールできることに集中しないといけない。それだけだ。

ONE: この試合にとても集中しているようだが、どう決まると思う?

ターニ: グラウンド・コントロールだ。 相手をテイクダウンして、グラウンド戦に持ち込むこと。自信があれば、サブミッションかTKOで仕留めたいと思う。そうでなければ、グラウンドと「サークル」でのコントロールで圧倒する。3ラウンドを通じて寝かせて、疲れさせる。

また、あらゆることに気を配らなければならない。このレベルの戦いになると、全員総合力が高い。昔のように柔術ができる奴とできない奴がいるわけじゃない。最近の選手は、なんでもできる。楽勝なんてあり得ない。だから、あらゆる局面に向けて準備をしないといけない。

American Dante Schiro battles with Malaysia's Agilan Thani

ONE: 手塚は、パワーのあるパンチで知られている。これは絶対に避けたいものだろうか?

ターニ: それ(手塚のノックアウトパワー)は歓迎だ。これまでのキャリアでノックアウトされたのは、1度だけだ。その時の相手は、ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)だった。それも失神するようなノックアウトでもなかった。自分自身を試して、相手が自分を失神させることができるかどうか見ないといけない。少なくとも、どのくらい自分が打たれ強いかわかるだろうね。

ONE: 理想的にはどのように試合を終わらせたい?

ターニ: 第1ラウンドで終わらせて、早く試合を終えて家に帰りたい。だが、そんなに期待しちゃいけないと思う。答えを出すのは、実際に会場に行って、自分で感じてからだ。自分はそんなに単純に自信満々になれるファイターじゃないからね。

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