【5/6大会】「最大のライバル」ジョンソン戦へ、モラエスの秘策は高地トレーニング?
アドリアーノ・モラエス(ブラジル)は、デメトリアス・ジョンソン(米国)との3度目のONEフライ級世界タイトルマッチに向けて入念な準備を重ねており、試合が行われる5月6日 (土) の「ONE Fight Night 10: Johnson vs. Moraes III」ではすべての力を出し尽くすつもりだ。
モラエスは同階級の元王者で、第1戦ではジョンソンをノックアウトしたものの、リマッチでは逆にノックアウト負けを喫していた。今回の試合はラバーマッチで、決して譲れない戦いだ。
すでにジョンソンについては熟知しているが、モラエスは決して気を抜くことはない。
ONE初の米国大会となるこのイベントを前に、米フロリダ州の所属ジムの「アメリカン・トップ・チーム」のあらゆる技術や知識を生かしてトレーニングをしているという。
モラエスはONEチャンピオンシップ編集部にこう話している。
「3度目の対戦になるから、お互いのことはよく知っているので、準備はより細かくなる。だが、トレーニングは同じように濃密だ」
「いつも助けてくれる素晴らしいトレーニングパートナーとコーチがいる。ムエタイはカテウ・キビスが、レスリングはスティーブ・モッコとマイク・ブラウンが、ボクシングはピトゥとガブリエル・オリベイラが、柔術はマルコス“パフンピーニャ”とハニ・ヤヒーラ、といったふうにね」
「“コブリンヤ”も来て助けてくれたよ。“ブシェシャ”もグラップリングを手伝ってくれている。MMAではペドロ・ムニョスやアレッシャンドリ・パントージャがいるし、ほかの選手にもかなり助けられている」
モラエスは有名ジムの世界クラスのサポート体制を活用する以外にも、コロラド州デンバーに行き、高地トレーニングを行った。
世界タイトルマッチは5ラウンド制のため、試合時間が長くなる可能性を考え、身体的な準備を完全に整えようとしたのだ。
モラエスはこう説明している。
「デンバーでセミナーをやって、数日間高地順応をした。体がびっくりしないように数週間前に行くつもりだった」
「すでにコロラドで戦ったことがあるトレーニングパートナーもいたし、コロラドの高地について教えてくれた。計画通りで、ホルヘ・マスヴィダルもそこで戦っていたし、アドバイスをくれた」
モラエスONE初米国大会で勝利目指す
アドリアーノ・モラエスが「ONE Fight Night 10」に向けて全力でトレーニングをしているのは、対戦相手のデメトリアス・ジョンソンがMMA界の偉大なアスリートと知っているためだ。
両者は、現在1勝1敗同士としており、それぞれの黒星はキャリア初のフィニッシュ負けだった。すでに壮絶なライバル関係なのだ。
そしてジョンソンとの3度目の対決が迫った今、モラエスはこの試合が自身の格闘技人生の決定的な節目として語り続けられるだろうと予想している。
「ジョンソンは自分のキャリア最大のライバルだと思っている。世界でも、この階級の歴史上でも最高の選手とされている。彼との戦いでは、最大の勝利も味わったし、最大の敗北も味わった」
ONEフライ級世界王座の奪還を切望するモラエスだが、一方で5月6日は歴史に名を刻むチャンスでもあることを知っている。
豪華カードがそろった「ONE Fight Night 10」はONE初の米国大会で、そのメインイベントで現地の米国を代表するMMAアスリートのジョンソンと対決することになる。
こうした記念すべき日を、モラエスはタイトル奪還で飾りたいと思っているようだ。
モラエスはこう付け加えた。
「自分はONEフライ級の最初の世界チャンピオンだった。この階級を代表する選手の1人であり、ONE初の米国大会に参戦できてとてもうれしく思う。ここで彼を倒せれば、その意義は大きいだろう」