【12/6大会】ティアル・サン、難民として暮らした国での勝利
ティアル・サン(ミャンマー)の「ONE:MARK OF GREATNESS」での勝利は、ただ戦歴に1勝を加えただけではなく、次のレベルに上がっていくために必要な、越えなければいけない壁だったと言える。
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Posted by ONE Championship on Friday, December 6, 2019
12月6日(金)にマレーシア・クアラルンプールで開かれた今大会で、26歳のティアル・サンはキム・ウンキョン(韓国)に勝利。格闘技で人生を変えたことを見事に証明した。
「感情がこみ上げてくるような勝利だった」
「自分のことを知っている人は多くない。この国に難民の少年として暮らしていた。夜中に起きて缶を集め、数リンギットで売っていたんだ」
「今回こうして、自分が故郷と呼んでいた場所に戻ってくることができた。とても名誉なことであり、夢のような瞬間だった」
「自分は今、より良い場所、より大きな場所にいる。もう缶を集めていた頃の自分ではない。貧しい少年としてここを去ったが、格闘家として戻ってくることができた」
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だがティアル・サンはただの総合格闘家として戻ってきたわけではない。ONEに参戦し、バンタム級の有望株の一人だということを証明してみせた。
レスリングの州チャンピオンに4度輝いたティアル・サンは、キムを相手に劣勢を跳ね返し、バランスの取れた攻撃で相手を圧倒した末、ユナニマス判定で勝利を手にした。
「自分のパフォーマンスはとてもよかった。ゲームプランに忠実だったと思うし、そのおかげで欲しかった勝利を手にすることができた。タフな相手だったが、準備はできていた。強敵だったが勝ちたいという気持ちがとても強かったから」
「第1ラウンド、やるべきことはすべてやった。ラウンドの途中でいいキックをもらって、それが肋骨に入ってしまった。それがなければもっといいパフォーマンスができただろう」
「それ以外は良かった。セコンドの指示をよく聞いたし、とても満足している」
米国・フロリダの格闘技ジム「Hard Knocks 365」での合宿中、ティアル・サンは肋骨をケガしていた。そのケガを再び悪化させてしまった時、諦めることは簡単だっただろう。だが彼は痛みをこらえ、戦い続けることしか考えていなかった。
ティアル・サンにはチームメイトとして、ONE世界王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)とマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)がいた。彼らの影響はティアル・サンの成功にとって最も重要なものだった。
「アウンラ・ンサンがこう言ったんだ。『勝ちたいか?』って」
「『はい、勝ちたいです』と答えた。もし人生で何か欲しいものがあるなら、それは自分の手の中にあるんだ。どのようなことに直面しようと、それがケージの外であろうが中であろうが、それは自分の手の中にある」
「本当に勝ちたかった。それ以外は何も求めていなかった。それがこの試合での最大のモチベーションになっていた」
ティアル・サンはかつて貧困に苦しんでいたマレーシアの地に戻り、会場に詰めかけた何千人もの熱狂的なファンの前で戦った。多くのファンが3ラウンドの試合を通して彼の名前を叫んでいた。
勝利への決意とマレーシアのファンのサポート、そして母国ミャンマーから応援に駆け付けたファンのサポートのおかげで、ティアル・サンは総合格闘家としてプロ2勝目を挙げることができた。
これでティアル・サンは2勝0敗という完璧な戦績。さらに成長を遂げていつかバンタム級の中心選手になるつもりだ。
「世界チャンピオンになるために総合格闘技をやっているんだ。もしそのつもりがないならなぜ戦うのか自分には理解できない。格闘技を始めた理由はただ一つ、世界チャンピオンになりたいからだ」
「バンタム級の全ての選手と戦いたい。それが自分なんだ。ケガや病気をしてさえいなければ、いつでもどこでも彼らと戦う準備はできている」