「上久保周哉と対戦したい」ウォーゼンが2020年の抱負
2019年が始まったころ、トロイ・ウォーゼン(米国)は世界中を旅し、総合格闘家としてより良いチャンスを探し求めていた。そして東南アジアの小さな島で、その場所を見つけたのだ。
ウォーゼンはシンガポールのメガジム「Evolve MMA」の「Evolve Fight Team」に参加し、ONEチャンピオンシップバンタム級の最も有望なスターの一人として頭角を現した。
そして今年7月にONEデビューを果たすと2試合で第2ラウンドTKO勝ちという圧倒的なパフォーマンスを見せ、プロ戦歴を6勝0敗とした。
直近の11月にシンガポールで開かれた「ONE:EDGE OF GREATNESS」の試合では、チェン・レイ(中国)を撃破した。
ウォーゼンは2ラウンドの大半でチェンを圧倒し、簡単にテイクダウンを奪うと容赦ない打撃を浴びせた。ウォーゼンのグラウンド・アンド・パウンドがあまりに凄まじく、第2ラウンド残り4秒というタイミングで、レフェリーが試合を止めたのだった。
「うまくできたと思う。試合前に決めていたように、もう少し立ったままで戦ってうまく攻撃できたかもしれない。でも一旦試合が始まると、グラップリングの勝負にいくのがいいように感じたんだ」
「(もっと早く)試合を終わらせることができただろうが、でもいつでも勝利はうれしい。フィニッシュで勝てるのはいつだってうれしい。だからあまり自分に厳しくするつもりはないよ」
2019年をいい形で終えたウォーゼンは、故郷の米国・フロリダ州に戻って家族や友人と休暇を過ごすつもりだ。
「シンガポールに行ってからはだいぶ長いこと合宿をしてきた。体が休息を必要としているよ。家に帰って家族に会いたい。もう1年も会ってないから」
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ONEは最近2020年の年間予定を発表した。ウォーゼンには連勝記録を延ばす機会がたくさんある。
だがウォーゼンは、まだ証明しなければならないことがあると感じている。これまではストライカーを相手にレスリングのスキルを活かして勝ってきた。同じことをグラップラーに対してもできると証明したいのだ。ウォーゼンには対戦したい相手が2人いる。
1人目は上久保周哉。上久保はプロ11勝1敗という戦績で、ウォーゼンと同じく充実した2019年を過ごしてきた。
上久保は今年2月の「ONE:CLASH OF LEGENDS」でキム・デファン(韓国)を、11月の「ONE:EDGE OF GREATNESS」ではブルーノ・プッチ(ブラジル)を相手に、立て続けにユナニマス判定で勝利を手にした。ウォーゼンの目を引いたのはプッチとの対戦だ。
「上久保はプッチを相手に、本当に見事な素晴らしいパフォーマンスを見せた。それに観客もとりこにしていた」
「上久保はバンタム級で4勝0敗。彼を尊敬するし大好きだ。ステージの裏で握手をして話したんだ。彼はグラップラーを相手に連勝している。上久保と自分の対戦をファンも楽しみにしてくれると思う」
ウォーゼンが注目しているもう1人が、ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)だ。サーデュラエフはONEバンタム級世界タイトルを賭けて、ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)との対戦を熱望している。
グラップリングの使い手サーデュラエフは2019年はONEで2勝1敗。プロ戦歴は通算で19勝5敗1分(1無効試合)だ。
今年5月の「ONE:FOR HONOR」でのフェザー級マッチでタン・リー(ベトナム/米国)に敗れた後、サーデュラエフはバンタム級に戻って勝利を重ねた。
8月の「ONE:DREAMS OF GOLD」ではキム・デファンを相手に、11月の「ONE:AGE OF DRAGONS」では竹中大地を相手に2連続でユナニマス判定勝ちを挙げた。
ウォーゼンにとってバンタム級トップクラスのグラップラー2人と対戦できるとすれば、まさに夢が叶うといったところだろう。
「サーデュラエフは連勝中で乗っている。名前も知られているし、もう何年も活躍している」
「誰が相手でもできるということを示したい。ストライカーだけではなくてね。だから今考えているような2人とのマッチアップができればすごくうれしい」