【7/15大会】若松佑弥、連敗から復活へ「『無』になって倒すだけ」

Yuya Wakamatsu Woo Sung Hoon ONE163 1920X1280 4

元ONEフライ級世界タイトル挑戦者の若松佑弥(28)は、21戦のプロMMAキャリアのなかでも、かつてないほどの辛い時期から抜け出そうと決意している。そして、その第一歩は精神力の強化にあると考えているようだ。

若松は、7月15日(土)に“ムエタイの聖地”タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる大会「ONE Fight Night 12: Superlek vs. Khalilov」のフライ級MMAマッチで、5位コンテンダーのシェ・ウェイ(中国、26)と対戦。連敗ストップと上位ランカーへの返り咲きを期す。

ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。昨年3月に当時王者だったアドリアーノ・モラエス(ブラジル)に挑戦したが一本負けでタイトル奪取はならず。さらに直近の試合、昨年11月の「ONE 163」のウ・ソンフン(韓国)戦では第1ラウンドTKO負けを喫している。

特に、ウ・ソンフン戦での黒星はあまりに衝撃的で、一瞬引退という考えすらよぎったという。

若松はその際の思いをONE編集部にこう振り返っている。

「『俺はこれまで何をしてきたんだ』『もう何だろう』という気持ちだった。いろんな経験したので、もう本当にもうやりたくないというか、あんなあっけなく負けるんだ、みたいな……」

「そこで正直に、初めて(コーチの)長南(亮)さんに、もうやめたいですって言った。相当悔しかった」

しかし、苦しみを乗り越えれば待っているのは成長だ。

負けたことで若松は自身を見つめることを余儀なくされた。その結果、弱点を受け入れ、さらなる進化への手がかりをつかんだ様子だ。

「間違いなく俺は強い、というのは思っていた。ただ負けただけというか、間違いなく俺は誰よりも強いと思っていたので、考え方(の問題だ)。まだまだ体や才能だけであって、精神的には俺は全然弱いと思った。それ(が原因)だと思って、そこをまず鍛えようと思った 」

「すごく心配性だし、小さい頃からものすごく警戒心も強い。でもここはもう殻を破らないといけないというか。いろいろ難しいが、いろいろめちゃくちゃ考えて、動いている」 

「毎試合、どんな試合でも変化はある」

辛い敗戦から立て直し、MMAフライ級のランキングを再び駆け上がろうとしている若松佑弥。

しかし、勝敗に関らずアスリートとしても人間としても、たゆまぬ進化を目指しているという。

「変化は常にいつも毎試合、どんな試合でもしている。そこはもうずっと昔と同じわけにもいかないし、時代も動いている。やっぱり心境も変わるだろうし、戦い方や考え方もやっぱり変わるので。(前回の試合と比べて)めちゃめちゃ変わったとは思う」

メンタルを鍛える一方、総合格闘家としてのフィジカルもいつも通り磨き続けてきた。

何が起ころうとも、若松の日々の集中力と全力トレーニングの姿勢は揺らぐことはないようだ。

「練習のやり方や、ミットのやり方は、常に進化する。ずっと同じことというわけではないので。けれど中身は別に(変わっていない)。毎日全力でやってコツコツ、もう死ぬまでやるだけ」

一方、若松は最良のパフォーマンスを発揮するには、勝利の見返りや敗北のコストを考えないことが重要だという。

その上で、目の前のやるべき仕事、つまり「ONE Fight Night 12」でのシェ・ウェイ戦に照準を合わせている。

「前回負けたからとか、連勝してるから次は勝たないといけないとか、そんな気持ちがブレーキかけてしまう。もう『無』になって、ただもうやるだけ、倒すだけ、というだけ。全力でやるだけだ」

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