【1/14大会】ション「三浦にKOを味わってもらう」
ONE女子ストロー級世界チャンピオンのション・ジンナン(中国)は、ONEチャンピオンシップ史上有数の圧倒的な女子アスリートの1人だが、その地位に甘んじることはない。
ションは、北京出身の33歳。1月14日(金)、シンガポール・インドア・スタジアムである「ONE: HEAVY HITTERS」のメインイベントで4位コンテンダーの三浦彩佳の挑戦を受ける。この試合は、ションにとってさらにキャリアを前進させる機会となるだろう。
「最初の夢は、世界チャンピオンになることだった。現在その夢は叶ったが、これだけにこだわるつもりはない」と、ションは話す。
「自分のことは負けず嫌いな人間だと思っている。自分自身に挑戦し、自分の限界を押し広げ、自分のあらゆる側面に挑戦するのが好きだ。どこまでいけるか、どこまで高みに到達できるか試したい」
「だから、世界チャンピオンになったとはいえ、もっとやり遂げることができると信じている。なりたい人物になるために努力をしてきたけれども、まだそこには行きついていない」
ションは2018年1月に初代ONE女子ストロー級世界王座に就き、5度防衛に成功。ONEの女子の全階級の中で最多ノックアウト記録を有している。さらに、女子ストロー級のトップ5のほとんどのファイターに勝っている。
だからと言って自身を無敵だとは考えていない。
謙虚なションは、どんな試合でも新たな脅威があるだろうと知っている。そのため、栄光に甘んじることなく、厳しいトレーニングキャンプのたびにモチベーションを高めている。
「2018年以来、チャンピオンの座を守り続けている。自分のことを誇りに思っているが、傲慢になったことはない。過去の実績を見せびらかすようなことはしない」
「自分のことを負けないファイターなんて思っていない。絶対に負けない選手なんていない。けれども今、自分に必要なのはもっともっと強くなること。今は、ただ無敵になりたいと思っている」
「誰にでもそれぞれ良い面がある。そしてもちろん、誰にでも弱い部分があるはずだ。誰もが時には弱く、時には強い相手になりうると思っている」
今回の対戦相手、三浦についてションは力があり、アグレッシブなグランドファイターで、攻略しなければならない武器を持つ相手だとみなしている。
三浦は柔道黒帯3段で、11勝3敗(1無効試合)という戦績を有し、ONEでは4勝している。さらに、この4勝は全てトレードマークのスカーフホールド・アメリカーナによるもの。この点にションが注目しているのは間違いない。
さらに、うち3勝はストロー級での勝利。このため、三浦はこの階級のサブミッションクイーンとされている。
「三浦が素晴らしいアスリートなのは間違いない。グラウンド戦や柔術の技術に長けている。いったん組みつかれると、逃げるのは本当に難しい」
「彼女はどの試合でも、ショルダー・ロックから袈裟固めで終わらせるのを好む。その技で対戦相手のヒジを負傷させたことだってある」
「自分にとっては新たな挑戦だ。それも高いレベルで難しいもの。怖くはない。ただ、より慎重にならなければならないと思う。いくつかのシナリオを想定し、どう対処するか考えている」
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ションにとって有利な点は、グラウンド戦のスペシャリストとの戦いにおけるゲームプランを熟知していることだろう。
ブラジリアン柔術黒帯でONE女子アトム級世界王者のアンジェラ・リー(シンガポール)と2度対戦したことがあり、直近ではグラップリング界のレジェンドであるミッシェル・ニコリニ(ブラジル)にも勝利している。
「優れたグラウンド・ファイターと戦い、テイクダウン・ディフェンスに対していつも万全の準備をしてきた」
「前回の試合では、(IBJJF)世界チャンピオンに8度なったミッシェル・ニコリニを倒した。三浦はブラジリアン柔術の世界選手権で優勝したことはないが、それは彼女の実力不足ということではない」
「さっきも言ったように、彼女のショルダー・ロックからの袈裟固めは本当に素晴らしいし、相手によっては効果的かもしれないが、自分には効かないということを証明してみせる」
一方の三浦は、ションについて「前はノックアウトで試合を決めるアグレッシブな印象だったが、ここ数試合は5ラウンドしっかり計算をして戦っている。確実に勝ちを取りに行っている」などとコメントしている。
ションは言葉でのやり合いをあまり好まないが、この三浦の発言には反論。リングの上で実際に自身のパワーを体感してもらうことになるだろうと述べた。
「三浦は自分の試合をつまらないと思っているって? じゃあ彼女が退屈しないように今回の試合では何か新しいことをやってみようか」
「彼女は自分がダウンを奪えないと思っているって? 彼女は自分のKOする能力がなくなっていると思っているって? リングで見ればわかる。KOとはどんなものか、そしてション・ジンナンにダウンを奪われるのはどんな気持ちか、味わってもらう」
だが、ションは舌戦に気を散らすことはない。戦いぶりに磨きをかけ、意思を貫き通したいと思っている。
「パンチ、キック、グラウンド戦、レスリングなど、自分のパワーと能力に集中する。外野に左右されることはない」
ションにとって、勝ち星を積み重ねることは重要だ。さらに、有力なコンテンダーである三浦に勝利すれば事実上、この階級を一掃したことになる。
ションはアトム級参戦も視野に入れており、この試合で勝利すれば、かつてのライバル、リーとの3戦目に臨みたいと考えている。
「前に進むために、常に現在のことに集中したいと思っている。聞かれたので答えるが、この試合の後はアトム級で出場する計画もある」
「もちろん、アンジェラ・リーとの3戦目が楽しみだ。ずっとやりたいと思っていた試合だから」
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