【3/23 日本大会】野杁正明、タワンチャイ撃破に燃える闘志「倒しに行かないといけない、ここでひっくり返す」

3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催される「ONE 172:武尊 vs.ロッタン」のONEフェザー級キックボクシング暫定世界王座決定戦で、タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)と対戦する元K-1王者の野杁正明(日本)。
日本を代表するキックボクサーはタイのメガスターに約4年ぶりの敗北を与えることに静かな闘志を燃やす。
プロキャリア63戦を誇り多くの実績を残してきた野杁。世界トップ選手の一人ではあるが、それでも今回のタワンチャイ戦はキャリアで最も厳しい試練になると予想する。
事実、25歳のタワンチャイはONEフェザー級ムエタイ世界チャンピオンの座を長く維持しており、卓越した打撃テクニックと総合力、何より多くの観客を興奮させるパワフルな蹴りとパンチを持っている。
野杁は手放しで対戦相手の強さを認める。
「タワンチャイ選手は完璧に近い選手だと思っている。パンチも蹴りもできるし、ムエタイルールだったらヒジだったり組んでからの攻防だったり何でもできる。オールラウンダーでパーフェクトな選手だと思っている。」
過去数年間、圧倒的なパフォーマンスで数多くの強豪たちを圧倒し続けてきたタワンチャイだが、野杁は自身の勝利を信じてやまない。
元K-1の二階級制覇王者は今回の試合はムエタイルールではなく、キックボクシングルールであることから、経験値が自身に有利に働くと分析する。野杁はタワンチャイの長く続く連勝記録を終わらせる理由を次のように述べた。
「タワンチャイ選手はムエタイの絶対王者で、ムエタイで勝負したら僕が9割10割くらい勝てない。でも僕はキックボクシングをずっとやってきた。キックルールはそんなに甘くないぞじゃないけど、キックルールでは勝てる自信がある。」
「タワンチャイ選手より優れてるものは、引き出しの多さだと思う。タワンチャイ選手が持ってないような武器、技の種類だったり、そこは僕の方が全然多いと思うので。タワンチャイ選手も食らったことがない技とかたくさん持ってるので、そこが今回の勝負のポイントになるかと思う。」
現在はteam VASILEUSに所属し武尊と共に汗を流す野杁。常にKOを狙うファイトスタイルで、今回のONEフェザー級キックボクシング暫定世界王座戦に挑む。超強豪タワンチャイにどう戦うか。
「僕はKOする気満々。倒しに行かないといけない試合だと思っている。全試合そうだけど、僕のスタイルは常にKOを狙っていく。」
「5Rフルに使って倒しに行くのもいいし、最初から倒しに行くプランも考えている。どのような試合になるか分からないが、結果的に僕が倒して勝つイメージを作っている。」
“アンダードッグ”の評価を気に留めない野杁
下馬評でタワンチャイが有利なことを野杁は気に留めていない。タワンチャイは現在9連勝中で、一方の野杁は前戦でローキックで相手の脚を破壊する衝撃的なKOでONE初勝利を飾ったものの、それまでは2連敗した。
その結果、“アンダードッグ”扱いとなったが、野杁はこの「ONE 172」で世界を驚かせることを信じている。
「今、ONEフェザー級でタワンチャイ選手に誰が勝てるんだと思われている。10-0、9-1の確率で僕が負けるって言われているが、ここでひっくり返せば。ONEのフェザー級が新たに動くと思う。」
「折角の日本大会なので、日本人のスターが生まれなければいけない。今回勝つことがそのスターへの道に繋がる。ONEフェザー級は強い選手ばかりだが、そこに無名な僕が入ることによって、新時代を作れればいいかと僕は思っている。」
野杁は下馬評で不利な状況こそが、最終的に戦いでは有利に働くと考えている。
有利と言われているタワンチャイは今回の準備に多少リラックスして挑んでいるかもしれないが、野杁はこれまで以上に勝利へのモチベーションが高まっている。
「タワンチャイは勝ち続けてて、勝つのが当たり前みたいになってる。今回の試合に関して、タワンチャイ選手はどういう勝ち方をするんだと問われている立場で、僕は失うものはない。むしろ勝ったら大金星と言われている。そこの気の緩みじゃないが、そういったところは今回すごい大きいと僕は思う。」